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宮崎牛7キロゲット! 簗瀬元気は2015年こそ元気に

この選手にとってはお決まりの話題で本当に申し訳ないのだが、高級自動車を扱う企業とは、縁もゆかりもない。あちらは“たけがんむり”がない「ヤナセ(梁瀬)」。この選手の名字は「簗瀬」。

そして、名前の由来は人気漫画の「がんばれ元気」。志半ばで倒れたお父さんの夢を叶えるために、立ち上がった“堀口元気”が目指したのはプロボクサーだがゴルフ界の“元気”が目指すのは、今年まずは主戦場のチャレンジトーナメントで、「裏シードを取ること」。

昨年の同トーナメントでの賞金ランクは、一昨年に続いてまたもや15位にとどまって、「本当にそろそろいい加減、結果を出さなくちゃ」。

今年初めてJGTO主催の宮崎合宿「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート 〜オリンピックを目指して〜」に参加したのも32歳の今年こそ、という思いからだった。

同合宿の主軸となる廣戸聡一先生の「フォースタンス理論」もここ宮崎に来るまでは、本当に効果があるのかと、半信半疑。でも、プロ転向から8年目を迎えた今年は四の五の言わずに「そろそろここらへんで、人の話を聞くのもありなんじゃないか・・・」。耳を傾けてみる気になった。

さっそくその初日から、「正直、筋肉痛がハンパじゃなくて」。2日目のトム・ワトソンコースでのラウンド実習でも「痛くて痛くて大叩き」。それでも、やるなら徹底的にと毎日、夜の8時30分に講義が終わって部屋に戻ってからも、教えていただいたトレーニングメニューを黙々と続けた。

「そうしたら、日に日に思うようにクラブが振れるようになってきて」。あれよあれよと、最終日のこの日20日はフェニックスカントリークラブでのラウンド実習でトップスコアを出して“日本一の和牛”をゲット!

合宿地の地元から優勝副賞として、市場相場で1キロ約1万円の宮崎牛は今年、コンテストで連覇を達成。ゲンのいいお肉を7キロも頂いて、大喜びだ。
「全部独り占めしたいところだけれど」と舌なめずりをこらえて、「帰ったら、お世話になった方々に配ります」。合宿で得た手応えとともに、恩人への何よりの土産となった。

今までは、わりと広めに取っていたというアドレス時のスタンス。人間の体の動きには4つのタイプがあるとされる「フォースタンス理論」による診断で判明した自分の型に基づき、指導を受けて、「今までより狭く、ドライバーでもサンドウェッジのときと同じくらいの幅でスタンスを取るようにしたら、いきなりバランスよく振れるようになった。このまま続けていったら、もっといい感じで仕上げていける感触も出てきた」と今年、簗瀬が目標に掲げている「裏シード獲り」にも、やにわに光が見えてきた。

ちなみに“裏シード”とは、チャレンジトーナメントの賞金ランキングで上位2人目から上位9人に与えられる翌年のツアー前半期の出場権のことで、さらに付け加えれば、同トーナメントの“賞金王”なら、年間パスがもらえる“正真正銘”のシード権も夢じゃない。

今年も、参加選手たちの夢をますます膨らませて終了したJGTOの“宮崎合宿”。簗瀬が参加した16日から5日間の日程で行われた今年3度目の強化合宿を含めて、計72人の参加者たちはいったん、それぞれの地元に帰っていった。

また今年、この宮崎合宿では日本高等学校ゴルフ連盟の協力を得ることになり、各回に各4人ずつ選りすぐりの高校生ジュニアが参加して、将来の絵を描きながら、プロと一緒に汗を流した(※写真下は今回の3回目の合宿の最終日のラウンド実践で堂々4位につけて、地元名産のキンカン「たまたま」を受け取った小川詠次郎さん)。

特別講師として駆けつけたレジェンド3人。髙橋勝成も青木功も中嶋常幸も、個々の表現こそ違えど誰もが口を揃えて言ったのが“今回得たものを、生かすもころすも自分次第”。昨年は、竹谷佳孝がツアープレーヤーNO.1に輝いた。宮崎で過ごした5日間を糧に、竹谷に続け・・・・・・!!

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