記事
ダンロップ・スリクソン福島オープン 2014
木下稜介は「まだ谷口さんには振り向いてもらえない」
起伏のきつい難解なグリーンはその対策として、2打目がたとえ届く距離でも慎重に刻む作戦。「もともと僕は、100ヤード以内が得意なので」と、最後の9番も240ヤードの残り距離にも4番アイアンを握り、95ヤードを残して、1.5メートルのバーディ締めに成功。
今季序盤は「気合いが入りすぎて空回りした」と、結果には恵まれなかったが、下準備は入念だった。
このオフは、JGTO主催の宮崎合宿でも特別講師に迎えた青木功のレッスンに、最前列でかぶりつくなど研究熱心は、シーズンに入っても積極的に先輩の教えをあおぐ。
香川西高校の先輩の河野祐輝や片岡大育との練習ラウンドでは、コースマネジメントを叩き込まれた。「絶対に外しちゃいけないところとか。凄く参考になった」と、感謝した。
今大会に入る前は月曜日にチャレンジトーナメントで同組になって以来、「可愛がってもらっている」という増田伸洋に、都内のドームアスリートハウスに連れていってもらった。
トレーナーに、体のバランスのズレなどを指摘されるなど、収穫一杯でコース入り。
火曜日の練習ラウンドは、奈良の自宅がご近所さんの白佳和と回って苦手にしていた高く上げて打つアプローチを教わった。「球を左に置いて、クラブを開いて勢いを殺して打つ」。ツアーの速いグリーンに、「ゴロゴロ転がって、下り傾斜が止まらない」。そんな悩みも一気に解消。
この日も、覚えた技のひとつを駆使してバーディを積み上げた。やはり奈良県出身の大ベテランには、まだ声をかけられずにいる。「谷口さんは、やっぱりまだ怖いです」。昨年は、谷口がライフワークにしている地元のジュニアレッスン会で挨拶こそ済ませたがツアーの会場ではやはり、新人が気さくに話せる相手ではない。
「成績を出さないと、振り向いてもらえない」。
谷口が留守のこの大会で、そのきっかけを掴めるか。
「今週は良い位置で最終日を迎えられるので。今まで応援して下さる方が少しでも楽しんでもらえるプレーがしたい」。初々しく話した。