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目指せ五輪、目指せ世界・・・! JGTO主催の“宮崎合宿”がスタート(1月26日)

自らもオフ合宿の合間をぬって、強化セミナー初日に駆けつけ参加者に激励をおくった優作
今年も世界を見据えた取り組みが、ここ宮崎から始まった。112年ぶりにゴルフが正式種目に復活する2016年のリオ五輪にむけて、いよいよ男子ゴルフからもその強化指定選手8人がもう間もなく発表されようかという折も折り、我らが日本ゴルフツアー機構(JGTO)主催の通称“宮崎合宿”は26日がその初日。

正式名称は、ちょっと長くて「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート」は、サブタイトルに“オリンピックを目指して”と加えて、早3年目を迎えた。5年後には東京五輪も控える中で、世界に通用する選手を機構をあげて育てていこうという取り組みは2年目の昨年、ひとつ大きな成果を出したと思う。

昨年からジャパンゴルフツアー選手会が協力に乗り出して、初日のこの日に合わせて激励に駆けつけた選手会副会長の宮里優作も言った。「まさにここから世界に羽ばたいていった選手だと思います」との賞賛のコメントとともに優作が、この日の参加者の中から名指ししたのは竹谷佳孝。

昨年の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」は5年シードのメジャー戦でのプロ9年目のツアー初優勝は、昨年のちょうど今頃、この“宮崎合宿”に参加して、みなと一緒に汗を流していたときには本人すら想像していなかった快挙達成でもあった。

度重なるケガや不遇の時代を長く過ごしながらも諦めず、地道な努力を重ねた末に、大金星をあげた34歳の苦労人の3年連続の合宿参加は、他の参加者にとってもまさに歩くお手本になるはずだ。また、今年は青木功と中嶋常幸、髙橋勝成らレジェンドたちが特別講師として“教鞭”をとることになっている。

「セガサミーさんをはじめ、今年も多くの方々に支えていただいているこの合宿で、皆さんには心技体を鍛え、何か必ずお土産を持って帰って、大いに意味のあるモノにしていただいきたい」と、参加者にゲキを贈った優作もまた、背負わされた期待の重さに初優勝までに長くかかった選手として、今年の参加者たちにもぜひ後に続いて欲しいと心から祈る思いだ。

今年は妹の藍さんとのスケジュールが合わずに、恒例の米国合宿は実現しなかったそうだが宮里家の次男もすでに、本格始動をはじめている。先週は優作もまた、ここ宮崎でキャンプを張った。オリンピックの指定練習施設としても、白羽の矢が立ったフェニックスカントリークラブ。コースのクオリティも、練習施設も、併設のホテルのトレーニングルームも、何から何まで申し分のないこの地で充実の1週間を過ごした。
「自分なりに、新しい取り組みも初めましたし、また3月にもう一度、ここに来て仕上げをする」と昨季の“開幕戦男”は、しょっぱなの“連覇達成”をにらみつつ、今年はツアーの人気回復にもいっそう心を砕いていく。

選手会長は、池田勇太が3期連続の就任を果たしたが、今年は理事会の中でもよりいっそうの業務分担をはかって、池田の負担を少しでも減らしてやりたいと優作は考えている。「勇太には、ゴルフでも結果を出していってもらわなければ困るので」と、後輩への思いやり方が、いかにも優作である。

そしてこう見えて、けっこうちゃっかりしているのだ。
この日は、なんと民放のテレビクルーを引き連れて来た。折しも、間もなくスタジオ収録を控えたバラエティ番組は来月の放送予定で「プロのオフの日常」を合わせて紹介してもらえるコーナーがあるという。「その時にほんの短い時間でも、この合宿のことがお話しできればと思ったんです」。男子ツアーの取り組みを見てもらうにも、この“宮崎合宿”はうってつけだと優作は計算したわけだ。

合宿初日から、分刻みで行われた講義を参加者とともに受講して興味津々。耳を傾け、廣戸聡一先生が考案された人間の体の動きには4つのタイプがあるという「フォースタンス理論」の“実験台”もかって出るなど大活躍の1日だったが、テレビ局のスタッフから追加で「講義以外にも、ちょっと違った絵を」と請われて自ら企画を“プロデュース”。

今年から、この宮崎合宿では日本高等学校ゴルフ連盟の協力を得ることになり、1回につき5日間計3回の開催で各4人ずつ、選りすぐりの高校生ジュニアが参加することになったが、初回の引率の井上尚彦・一般社団法人日本高等学校ゴルフ連盟理事長は、実は優作の大阪桐蔭高校時代の恩師でもある。

「井上先生さえ承諾していただければ今回、参加してくれる高校生を、僕がカメラの前で紹介するというのはどうですか?」。
「・・・優作からのお願いなら、断れないだろう?」と、その場で恩師の快諾を得て、講義会場の片隅で、さっそく収録が行われた。はてさて、そのできばえはいかに・・・?!
井上先生によれば、「高校生のときからそのひたむきさと行動力は、群を抜いていた」という優作。オフシーズンの今こそ盛りだくさんの話題で、男子ゴルフをアピールしていかなければ。

<JGTO強化合宿 実施要項>
名称 「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート“オリンピックを目指して”」
主催 一般社団法人日本ゴルフツアー機構
特別協賛 セガサミーグループ
協賛 株式会社デサント
後援 文部科学省、宮崎県、宮崎市
協力 ジャパンゴルフツアー選手会、フェニックス・シーガイア・リゾート、日本高等学校ゴルフ連盟
開催日程
第1回 2015年1月26日(月)〜1月30日(金)
第2回 2015年2月2日(月)〜2月6日(金)
第3回 2015年2月16日(月)〜2月20日(金)
開催会場 フェニックス・シーガイア・リゾート内(宮崎県)
参加選手 1回につき、ツアープレーヤー24人(1選手につき1回の参加)
主な実施内容
1.講師による講義およびミーティング
2.体力トレーニング等
3.練習場での打撃練習
4.フェニックスカントリークラブ、トムワトソンコースでのラウンド
  • 今年も和牛日本一! 県から名物宮崎牛や、新鮮な果物の差し入れをいただいて、参加者たちの志気も高まる。
  • 廣戸先生(右)の理論にも興味津々!
  • “優作プロデュース”の企画に協力してくれたジュニアの面々。左から豊山良さん、松本正樹さん、小寺健太さん、宇都宮鋭多さん、ありがとう!

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