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“宮崎合宿”は3回目にいよいよ選手会長が登場

昨日はお台場
昨日は東京・お台場で、熱弁をふるっていたと思ったら、今日は九州・宮崎へ。今年3期目の選手会長は、相変わらず忙しい。そして、相変わらず熱い。

今年は188人の選手が、ツアーメンバー登録を行った。「選手会は、いわばそのすべてを束ねる団体なわけで」。それだけの人数の意見をたった一人でひとつにまとめることは、ほぼ不可能に等しいとは、この2年で嫌というほど痛感したことだ。

史上初の“立候補”による、史上最年少の就任を果たしたのは2013年。「右も左も分からない中で、まずはいろんな人の、いろんな意見をすべて受け止めてみようと思って、スタートした」。右往左往に四苦八苦。時には「パンクしそうになりながら」も試行錯誤を繰り返してきたこの2年間を、大いに評価してくれる人もいれば、批判もあることは承知している。

そんなさまざまな意見にもじっくりと耳を傾けてみた上で、「では、今の男子ツアーに言い争っている余裕はあるのか。そういう場合なのか?」と自問自答しては、心を奮い立たせる日々が今年もまた始まった。

この2年で池田勇太が導き出した結論。「主催者のみなさんと、ゴルフ場と、関係者のみなさんと、JGTOと。選手会がより一丸となって、ツアーを盛り上げていくこと。そのためにもまず俺たちの職場を増やしていくことが、何よりもいま俺たちが取り組まなければいけないこと」。

今年もまた、柄にもないシングルスーツで、西へ東へ飛び回る日々も、いよいよ3年目の今年を「集大成の年」と決めたからには、同時にこの思いを次につなげていかなければという使命感もでてきた。
そういう意味では、今年もまた1月末からスタートしたJGTO主催の宮崎合宿「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート 〜オリンピックを目指して〜」は、選手会長としての思いを存分にぶつけるにも、またとない機会である。

今年から、選手会でも協力に乗り出したこの“強化合宿”は、初回の初日に副会長の宮里優作が参加者の前でマイクを握り、2月初めに行われた2回目は選手会幹事の桑原克典が壇上に立ち、そしていよいよ“最終回”にあたる2月16日からの3回目は、選手会長の登場だ。

前日15日の日曜日には、東京有明の東京ビッグサイトで行われた「ジャパンゴルフフェア」のJGTOブースに駆けつけ、手取り足取りの熱血レッスンでファンにも大いに喜ばれた池田。
その翌日にはもう宮崎にいて、今年3期目となる選手会長のこれまでと、これからを、未来のシード選手候補たちの前で熱く語った。

就任前に抱いていた疑問。「選手会は本当に、自分たちの将来のことを考えてみんなで活動が出来ているのかな?」。年々ツアーが減少傾向に向かって行く中で、自分自身も含めて本当に危機感を抱いている選手が、あまりに少ないような気がした。「実際に、自分も以前は試合数を増やすのは、俺たち選手の仕事じゃないし、なんて思ってた」。それこそ、バブル崩壊前の時代なら、それでもまだ許された。

「でも今の時代にこのままだとこれから10年くらい経ってもまだ、自分たちの“職場”が十分に残っているとは保証が出来ないんじゃないか」。いてもたってもいられなくなった。池田の奮闘が始まった。
手探りの中で、スポンサーのみなさんにこの先10年も20年後も長きにわたり、トーナメントを開催したいと心の底から思っていただける本当のおもてなしとは?
ファンのみなさんに本当に喜んでいただける環境作りとは・・・。「若い自分に何が出来るか」。勇気と智恵を振り絞り、今までにはなかった斬新なアイディアを駆使して、選手会の地位向上に精一杯につとめてきたこの2年間。

おかげで、今年はトーナメントの3試合増を実現させて、ひとつ肩の荷を下ろす間もなく、池田は次々とまた新たな試みの実現に取り組んでいる。
トーナメント毎に賞金の一部を震災復興支援金として、贈ってきた東北三県。今年は各県に軽自動車10台ずつの寄贈を決めて、来月の3月11日には池田自ら寄贈式に出向くつもりだ。
また今年は、“選手会プロデュース”による男子ゴルフのメディア進出を、積極的にはかっていく計画がある。プロゴルファーは、いわば“個人事業主”。テレビ局の方々の意見を聞いてまわる中で、「たとえばプロ3人の出演で番組を作ろうと思っても、個々に連絡を取ってスケジュール調整をしなければならず、一人でも都合が悪ければまた企画の練り直し。そうこうしているうちに、収録日が来てしまって、企画自体が流れてしまうことも今までに多くあった」とは、池田としても聞き捨てならない。

「そういう日程調整も、選手会とJGTOで協力してやっていければ」。
好機を逃さず、チャンスを最大限に生かしたい。プロゴルファーの露出と社会進出こそ、ツアーの活性化につながっていくと池田は思うからだ。
これから数年のちまでに、年間30試合以上のトーナメントの開催の実現を目標に、3期目の今年は選手会理事メンバーを、これまでの25人から15人まで減らしてより理事同士の連携を深めながら、ツアーの活性化に尽力していく覚悟だ。
「今週からまた合宿に参加される皆さんもぜひ、来年はレギュラーの仲間になっていただいて、一緒にツアーを盛り上げていく方法を、僕らと提案したり意見を出したりしてもらえれば」。そのためにも、今日からここ宮崎で過ごす5日間が、参加者たちにとって何より有意義な日々になればいいと、願わずにはいられない選手会長なのである。
  • 今日は宮崎
  • どこに行っても選手会長は熱い!!

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