３日目のこの日も強い風が吹き、「自分にあまり期待しないようにした」という。ここJFE瀬戸内海ゴルフ俱楽部は遮るものが何もなく、夏日の熱風に吹きさらしのグリーンは、この日も時間を追うごとに硬さを増していく。

「とにかく安全に行こう」と決めた。１番でバンカーから９番アイアンで打った２打目が５メートルについて、幸先よくバーディを奪うと、好調のショットがますます冴えた。一時は４打差の独走態勢を築いた。

そんな中で最大の試練を迎えたのが１４番だ。絶好のチャンスを外したことで、ふいに襲ってきたというプレッシャー。

「急に緊張してしまって･･･」。だがそれも、16番でボギーを打ったことで、逆に吹っ切れた。最後の18番も、確実に刻んだ３打目をピンそば70センチにぴたりとつけて、首位と２打差の単独首位で最終日を迎える。

母国の韓国やアジアンツアーでは経験があるが、２０１１年から本格参戦した日本ツアーでの最終日最終組は、自身初。先週の関西オープンでは５位タイからスタートしたが、初優勝には届かなかった。

「いつも最終日に悲しい気持ちで帰ることが多かったので。今度こそ、ハッピーな気持ちで帰りたい」。昨年のチャレンジトーナメントはランク５位の資格から狙う頂点は、勝てば文句なしの全英切符もついてくる。

• 張 棟圭