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片岡大育がカシオワールドオープンのチャリティ寄贈式に参加(3月18日)

多少、無理をしてでも本格的な春の到来目前の日本に、いったん帰国をして本当に良かった。地元出身の25歳には、心からそう思える1日となった。この日3月18日火曜日に行われた、オフ恒例のチャリティ寄贈式。

毎年11月に、ここ高知県で開催されるカシオワールドオープンが、大会を通じて集まった寄金で購入したスナッグゴルフのコーチングセットを地元の小学校に贈り続けて8年目の春。
今年は、市立第四小学校での贈呈式のあとで、児童に実戦指導を行う講師として白羽の矢が立ったのは片岡大育(かたおかだいすけ)。

2012年から日本とアジアンツアーとの掛け持ち参戦を続けて昨シーズンは、ようやく悲願の“Wシード権”を獲得した。今年は日本でも、シード選手の仲間入りを果たした“地元の星”は前夜に、フィリピンから戻ったばかりだった。

そして、実家でゆっくりする暇もなく、この日のうちに再び旅立つ。タイで、先輩プロの平塚哲二が待っている。今週いっぱい当地でキャンプを張ったあと、翌週にはインドネシアPGA選手権に参戦。連戦の合間に行ったり来たりの過密スケジュールは確かに骨も折れるが、「今日は本当に、帰ってきた甲斐がありました」。

全国初の桜の開花宣言がされたここ南国土佐も、この日は朝からあいにくの雨模様に、贈呈式のあとの講習会の舞台も、そのまま視聴覚教室を使うことになり、プロの豪打も十二分に披露出来なかったのは残念だったが、児童との直接対決では2打差をつけて面目を保つことができたし、何より「みんながこんなに喜んでくれるとは」と片岡も、喜びで胸一杯。

今までは、高知県の観光コンベンション協会にあったコーチングセットを借りて練習に励んでいた第四小のみんな。それもまた、同大会を通じて寄贈されたものであり、もちろん子どもたちには何の気兼ねもなく使ってもらって構わないはずではあったが、それでもやっぱり“レンタル”の意識は拭えなかった。

しかしこのほどようやく、我が校にも真新しい練習具が届いたことが、嬉しくてたまらない。寄贈式で、児童を代表して感謝のご挨拶をしてくれた6年生の宮本曜嘉(てるよし)くん。手紙を読む声にも心がこもる。「みんなで大切に使わせていただきます!」。

今年から、学習指導要領にはボール運動の導入が組み込まれたそうで、川崎二三雄・校長先生も、これ幸いと「体育の時間にスナッグゴルフを取り入れて、みんなで一生懸命に練習をしたいと思います」と、えびす顔だった。

「今日は、みんなにゴルフを教えに来たはずが、逆に僕が元気をもらいました」という片岡。この日、出会った子どもたちに、今年は良い報告が出来ますように。「アジアでも、日本でもどこでもいい、初優勝をあげたい」。そして、いつかはそんな自分に勝負を挑んでくる子が、ここ高知県から出てきてくれればいい。
「プロとして、一緒に戦う子が出て来てくれたらこんなに幸せなことはない」とそれもひとつ、今後の励みに「スナッグゴルフを通じて、もっともっとゴルフを好きになってもらえたらいいですね」。
身をもって、そのすばらしさを伝えていくためにもまずは、今年11月の“凱旋帰郷”を目標に、慌ただしくまた旅立った片岡だった。

  • 1年生から6年生の各代表児童とともに、寄贈式には高知県観光コンベンション協会の西尾健一専務理事や高知県ゴルフ協会の國澤利久副会長もご参加
  • 児童を代表して片岡からコーチングセットを受け取ってくれた4年生の山本悠平君と同・和田百花さん
  • 3年生35人を対象にしたスナッグゴルフの講習会には高知県プロゴルフ協会の潮見プロにもお手伝いをいただいた

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