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冨山聡がゴルフ伝道師に(7月15日)

あれれそのヅラ、見覚えあるぞ! 確かあのプロもかぶってた・・・。そうだあれは先月6月。岩手県の宮古市立崎山小での出来事だ。当ホームページで衝撃(?)写真を目撃していた今回の伝道師は自身も子どもたちとのご対面を間もなく控えていただけに、その翌週にさっそく本人に詰め寄った。
「あんなことしていいんですか、宮本さん?!」。
「全然ありだよ」とこともなげに言ったのは、そう、宮本勝昌。「掴みが大事なんだから」と、もっともらしくアドバイスをされて、半信半疑で借りてきたまっキンキンのアフロヘア。

正解だった。冨山聡(とみやま)にとっては初めてのゴルフ伝道の旅。自身の緊張をほぐし、初対面の子どもたちといっそう打ち解けるにも、何よりの小道具となった。

7月15日に訪れた。冨山がやってきたのは今月末に、新規のトーナメントも控える福島県。ちなみに今週末に「冨山」が出場を控えているのは「富山県オープン」。字も読み方も似ているけれど、冨山の「冨」は“うかんむり”ではなく“わかんむり”で、しかも「とやま」ではなく、「とみやま」と読みます。白河市の釜子小学校のみんな、覚えてくれた?
多忙を縫って“冨山プロ”が茨城県の自宅から、自らハンドルを握り、3時間あまりもかけてみんなに会いに来たのはゴルフの楽しさ、夢を持つことの大切さを、どうしても伝えたいと思ったから。
それにしても、この日は暑かったね。温度計では30℃でも、運動場だと体感気温はそれ以上。熱中症予防のために、体育館で開くことになったスナッグゴルフの講習会は、盛り上がったね!

実は“冨山プロ”も初体験だったスナッグゴルフ。それでも、さすがだ。みんなと一緒に学ぶうちにぐんぐんと上達して、特にプロのフルショットの豪快だったこと! 講習会の最後のガチンコ勝負も、子ども相手に手を抜くことを知らず、ハンディ2をあげても容赦せず、タイスコアに持ち込んだ。先にプロに2打で上がられてしまった“まさと君”。勝負の“4打目”は2メートルの距離も、プレッシャーがかかったでしょう。みんながシン・・・と静まりかえる中で打つ気分はどうでしたか?
勝てなかったのは残念だけれどプロ相手に引き分けなんて、大したもんです。午後からのプロのお話も、みんなの心に残ったかな?

「夢を持とう」という講義のタイトルは、まさに冨山の36年の人生そのもの。節目節目で、冨山を突き動かしてきた原動力でもある。キャプテン翼に憧れて、サッカーをはじめた小学生時代。中学時代はバスケット。「スラムダンクに憧れた」。・・・って、なんだか漫画ばっかり。というか、ちょっとミーハー?! そしてゴルフを始めたのは“ジョー”の影響というからほんとに・・・。

ちなみに“ジョー”とは、こちらは漫画の主人公ではなく、尾崎直道という偉大なプロゴルファー。58歳の大ベテランは、将司と健夫というこれまた偉大な兄を持ち、自らも通算32勝という輝かしい実績を持つ永久シード選手だ。
「父親に連れて行ってもらった試合で直道さんを見て、“カッコイイ!”。それから庭に空き缶を埋めてパターの練習をしたりして、ゴルフに興味を持ちました」。
絶対にプロゴルファーになると、アルバイトをしながら練習場に通いつめた高校時代。中央学院大は4年時に関東学生連覇。2001年には意気揚々とプロ転向を果たしたが、「すぐに試合に出られたわけではなかった」。厳しい世界。どうにか出場権を手にしても、すぐにシード権が取れたわけではなかった。2011年にようやく、初シード入りを果たしても、すぐに手放し2年をかけて、昨年再び復活を果たしたばかりだ。

「野球でいうと“2軍戦”で頑張るしかなかった時期もたくさんありました」。諦めかけたこともあったが、「直道プロに憧れて、自分もプロになりたいと思い、そのためにいま何をすべきか。その結果5年後、10年後の自分はどうなっているだろうか」。考え続けたあのころの自分を原点に、夢を追いかけ続けてきたこの13年間のプロ人生。
きっかけは、ミーハーでも何でもいいのだ。大事なことは「自分の目で見て感じて、興味を持って、なりたいもの、やりたいことを見つけていくこと。そこから目標をたてて、夢に向かって一歩ずつ進んでいくこと」。

ずっと下積み生活のこの十数年間だった、と冨山は振り返る。「だけど、それだからこそ、“2軍戦”で苦労したからこそ、今の自分があると思える」。
ゴルフはゴールのないスポーツだと最近、冨山は気が付いた。「ゴルフに、これでいいというのはないんです。だからやってて楽しいのかなって」。近頃、ようやくそんな境地に達してトレーニングや練習も、諦めずに続けてきてよかったと、思えるようになったという。
「だからみんなにも、諦めない心、やり続ける精神というものを是非持ってもらいたいと思うんですよ」と、呼びかけた。

子どもたちから、質問が飛んだ。
「今のプロの夢はなんですか?」。もちろんツアー初優勝をあげて18番グリーンで、愛息子を抱いて表彰式で記念撮影をすること。
それが目下、一番の目標だが、冨山にはさらにもっと先の夢もある。

「指導者になりたい」という。「将来のプロゴルファーを育てたい。そして生徒の中に、自分の息子がいたりしたら嬉しいと、最近よく思うようになりました」と、そんな夢を語る冨山にとってはなおさら、何よりの日となった夏の1日。
講義の最後に子どもたちから贈られたのは、地元白河市の伝統工芸のだるま。願をかけ、片目にさっそく黒目を入れた。“冨山プロ”が、さらにもう片方に黒目を入れる日はいつ・・・?!
“冨山プロ”の夢がいつか必ず成就するよう、みんなもいっぱい応援してね!

  • この日は偶然、全校生徒の撮影の日と重なり、冨山も校長先生に誘われてきゅうきょ参加。何よりの思い出に!!

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