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杉原輝雄氏が第3回日本プロゴルフ殿堂入り
今年はレジェンド部門として石井朝夫(いしいともお)氏と、陳清波(ちんせいは)氏の二氏と、プレーヤー部門から女子プロの岡本綾子氏と、男子からはドンこと杉原輝雄氏が、選出された。
杉原氏は大阪府茨木市に生まれ、中学卒業後に茨木カンツリー俱楽部に就職。洗濯係から研修生となり、1957年に20歳でプロテストに合格した叩き上げである。練り込まれたゲームマネジメントと、たゆまぬ鍛錬で培われた技量と、コースでの粘り強さは海外のトッププレーヤーたちも一目置いたほど。
160センチの小さな体で積み重ねたツアー通算成績は28勝。永久シード選手に名を連ねたあとも、生涯現役を口癖に、1997年に前立腺ガンの告知を受けても、勝負の世界にこだわり続けた。
2006年のつるやオープンで、68歳311日の最年長予選通過記録を樹立。2010年の中日クラウンズでは、同一大会51年連続出場の世界記録も打ち立てた。
1984年に設立された選手会では初代会長をつとめ、プロゴルファーである前にまず人間たれと、若手の指導にも打ち込んだゴルフ人生。大勢のゴルフファンに惜しまれながら、2011年12月28日にこの世を去った。74歳だった。
今回の殿堂入りに際して、長男でプロゴルファーの敏一氏は以下のようなコメントを寄せている。
「親父が認められて、あらためてうれしいです。親父にはたくさん怒られましたが、後になって怒られた意味が分かってきて、いまは感謝が増えていくばかりです。周りの方でも親父に怒られた方がたくさんいらっしゃると思います。ブラックユーモアのきいた言葉をかけられた方も多いと思います。
でも、怒ったり、話したりするのは、親父がその方を好きだったからで、嫌いな人とは口も聞かない人でした。恨まないでください。親父のゴルフに取り組む姿勢が、この賞につながったのだと思います。優勝もたくさんありましたが、コツコツとゴルフ人生を全うしたと思います。病気の時も相当しんどいはずなのに頑張る人でした。これからは、親父と同じ優勝トロフィーに名前を刻むことが私の目標です」(杉原敏一)