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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2015

2位タイの永野竜太郎が「優勝したい」

茨城県水戸市の水城高校ゴルフ部のOBとして、スタートから地元の期待を一身に背負って出ていった。「朝の練習場から緊張していた」。しかし、同じ最終組の梁(リャン)は、もっと緊張しているように見えた。

付けいる隙はあるように思えた。
さっそく1番のティショット。梁(リャン)が大きく左に曲げた。さっそくそのチャンス。
しかし、梁(リャン)は意外にも冷静に、ピンチを一転ピンそばのチャンスに変えたのだ。
確かに。「あそこは意外と打てる場所。僕も行ったことがある。前もピンまで開けていて、ハザードもないので乗っちゃえば寄るんです」。
差が縮まるどころか、むしろバーディを決められて、さらに差は広がったことで、ますます追う永野は攻めていかなければいけない展開で、「自分は消極的になっていた」。
2番で絶好のイーグルチャンスをみすみす逃した。
梁(リャン)の再三のピンチも、「攻めるべくして攻めきれないパッティング」。
差はいっこうに縮まらなかった。

「梁 (リャン)さんは日本では勝てなかっただけで、アジアやヨーロッパやいろんなところで、場数を踏んでいますし、しぶといだろうな、とは思っていたんです。1番のティショットだって普通はテンパるところ。焦りますよね。そこで、ああいうショットを打って、あれだけ落ち着いて出来るのは凄いですよね」。

アジアの雄に向かって生半可な気持ちでは、太刀打ちできない。距離が長く、難しい17番のパー5で左手前5メートルのバーディで、4打差にするので精一杯。
そして迎えた18番では、最後の試練が待っていた。
ティショットを右に曲げ、林の中から今度はグリーン左奥の速報ボードの裏側に打ちこんだ。
「でも、あそこからボギーでいいなんて、全く思っていなかった」。
自身も成長を自覚した瞬間。

臨時の仮説物の救済を受けて、距離感の難しいアプローチもしっかり寄せた。
「パーを獲るつもりでいた」と、最後まで自分の気持ちに負けなかった。
「このメジャーで4日間、良いプレーが出来て。そこは自分を褒めたいと思います」。
同時に芽生えた勝利への強い欲。「この調子でもっとレベルを上げて、優勝争いを多くやっていきたい。そして優勝したい」。今日の日を糧に、力強く言った。

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