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史上27年ぶり、月曜日に持ち越しへ(全英オープン3日目)

スコットランドのセントアンドリュースで行われている今季メジャー第3戦「全英オープン」は、3日目もまた、悪天候のため競技が中断し、大会は20日月曜日に持ち越されることが決まった。

前日2日目の17日金曜日は、スタートするなり大雨による競技中断があり、その影響で42人が第2ラウンドを終了できなかった。その中には松山英樹ら日本勢も含まれており、3日目の18日土曜日の午前7時に再開されたが今度は強風により、そのわずか32分後にまた長時間の中断を余儀なくされた。

午後6時にようやく再開されたが第2ラウンドの残りを終えるにとどまり、19日日曜日に決勝の第3ラウンド、そして20日月曜日に最終ラウンドを行う予定であることが発表された。

競技が月曜日までもつれこむのは、イングランドのロイヤルリザム&セントアンズで行われた1988年大会以来、27年ぶりという。

波乱の展開の中で、松山は丸2日間をかけて、通算6アンダーでようやく第2ラウンドを終えた。

早朝7時より再開された第2ラウンドの残り競技で、松山はまず15番のみプレー。4メートルのバーディチャンスを逃してパーとしたところで、再び強風による競技中断に入った。

それから10時間超。「今日もすごく長い1日。いつ始まるか分からない中で、気を張っていたので疲れました」と、さすがの怪物もぐったりだ。
「今日は朝3時40分に起きました」。
前夜は10時を過ぎてもまだコースにいて、3時間ほどしか眠れていない。中断中にうたた寝はしても、今か今かという状況では、熟睡にもほど遠かった。

それでも、午後6時に再び聖地に立った松山の集中力は、途切れることがなかった。
再開されても依然として強い風が吹き付け、16番では左のラフ。2打目もどうにか乗せたものの、ピン奥に流されたり。最難関の17番は、2打目を左に外して、パターで寄せてパーを拾うのがやっと。2日かけて辿りついた最後の18番でもまたティショットを左に大きく曲げるなど、幾度も翻弄される中でも、上がりの3ホールをすべてパーにおさめてあがってきた。

10位タイで、やっと決勝ラウンド進出だ。「第2ラウンドがいま終わったばかりなので、今日が土曜日という感覚がない」と、苦笑い。さらに過酷な2日間が待ち受けるが「我慢出来ればもう少し安定してもっと上位に行ける。気を長くして、頑張っていければいい」。

松山のほか、日本勢では高山忠洋と、富村真治も第2ラウンドのプレーを残していた。両者とも、すでに予選通過には圏外からの競技再開にもかかわらず、「最後まで諦めないというプレーをという気持ちで戦った」とは高山だ。
再開後も「立ってられないくらい。今まで経験したことがないくらいの強い風」。それでも前向きに挑んだが、ドライバーを握った16番、そして難関の17番でも立て続けにポットバンカーに捕まり、「悔しい気持ちは一杯です」。
と、同時に「とても清々しい気持ちで一杯」。決勝進出とはならなかったが、自身4度目。セントアンドリュースは初出場の2005年から数えて2度目の聖地で過酷な2日間をやりとげた。「課題も一杯できたし、それをまた、日本に持ち帰ってもっとワールドランクを意識したプレーがしたい」。やり抜いた充実感に満ちていた。

富村は、再開後の17番でダブルボギーを打って、「攻めた結果なので、しょうがないけど悔しい」と、結局通算3オーバーで、予選落ちを喫した。
強風下のラウンドでは、特にグリーン上で「自分の悪いくせが出てしまう。体の軸がぶれてしまう。まだまだ下手」と、自分を厳しく戒める一方で、「世界は思ったよりも早く進んでいるというのは思っていた通りだったので。それを肌で感じることが出来たのは良かった」と、まだ日本ツアーでシード権すら持たない選手のメジャー初挑戦には、大きな収穫もあった。

予想通り、悪天候に見舞われたリンクスコースでの2日間。「風が吹かないまま終わってしまったのでは、面白くなかった。むしろ風が吹いて、雨が強くなって、これが聖地だと痛感できたのは、一つの経験になる」と頼もしく、そして「・・・強いですね!」。
その中で、改めて感じ入ったのは後輩の勝負強さだった。
松山は、東北福祉大で富村のひとつ下。「初日はパッティングが悪い中、修正能力の高さがある」。後輩の第2ラウンドの猛チャージにも触発されて、24歳も初の聖地で今後の飛躍を誓った。
  • 長い長い1日
  • 高山は立て続けにポットバンカーにつかまり・・・
  • 初出場の全英オープンもやはりここ聖地で、予選通過を果たしたものだが、今回は・・・
  • 契約先ミズノ主催のミズノオープンで、初のメジャー切符を得た富村。この経験を今後の飛躍の糧に

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