記事
長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2015
宮里優作が2打差の3位タイ浮上
「一生懸命やっていたので終わってから気づいたけれど。今日はフェアウェイを一度も外していない」。好調なショットは、先月の日本ゴルフツアー選手権から持ち替えたという以前より5グラムほど重くしたスコッティキャメロンが支えている。
「パットが凄くいいので。ショットはほぼ、だいたいでいい感じで打てる」。グリーン上で十分カバー出来るという余裕がますますチャンスを増やしてくれる。
ピンチらしいピンチは、3.5メートルのパーパットを残した浮島の16番パー3だけだった。「今日が勝負のポイントだ、と。アグレッシブに、攻め抜くというのを貫けた」と、17番はこの日6つめのバーディで、首位と2打差の3位タイに急浮上だ。
前夜は、千歳市内のホテルのバーで、ラム酒片手に趣味の葉巻をくゆらせながら約2時間。「アドレスでボールに近づき過ぎていないか」。ひらめいた。「若干、狭めてコンパクトに打っていこう」。翌朝の策を錬りながら、一人物思いにふけっていたら、背後で背筋の伸びる声。
「優作! 明日スコア出さないと、使ってやんないぞ!」。
週末のテレビ解説をつとめる青木功の独特の言い回しには「?!」と、一瞬きょとんと、それでも熱い気持ちは十分に伝わった
励まされてさっそく「スコアが出て良かった」と、その点でも安堵の土曜日。今年序盤こそ「優勝争いよりも、まずは自分のゴルフを」と慎重に繰り返していた男がここに来て、本気になった。「洋芝は、大好きなので」。北の大地でV宣言?! 「ここまで来たらやるしかない。1打1打に集中して、優勝を狙いたい」。今日も煙の向こうのツアー通算3勝目をにらむ。