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関西オープンゴルフ選手権競技 2013

武藤俊憲は「連覇が出来るのは、僕しかいない」

待ちに待った後半戦が、いよいよスタート。昨年覇者にとってはとりわけ、待ちきれないリスタートである。今年は兵庫県のオリムピックゴルフ倶楽部で開催される関西オープンは、約ひと月半の“夏休み”を経て、22日木曜日に大会初日を迎える。

昨年のこの大会で、自身初の完全優勝を達成してツアー通算5勝目をあげた武藤俊憲。さらなる飛躍を胸に迎えた今シーズンはしかし少し、元気がない。

序盤は5位の中日クラウンズが最高となれば、なおさら「頑張らないと」と、気合いも入る。

それに、この夏はいっそう闘志を駆り立てられる材料がある。
今年、夏の甲子園で初出場を果たした群馬県の前橋育英高校は、武藤の母校でもあり、当時はゴルフ部監督が野球部部長を兼任していたとあれば、後輩への応援にもいっそう熱が入るというものだ。

しかも、「あれよあれよと勝ち進み、なんとベスト4ですよ!!」と、開幕前日のこの日21日は午後からの準決勝で、興奮気味の武藤。
母校のプレイボールの直前に報道陣に囲まれて、「勝ったら“俺も”だし、負けたら“俺が”。どっちにしても“頑張らなくちゃ”でしょう」と後輩ナインの活躍を、糧にすることを誓った。(※前橋育英は、日大山形との準決勝を4−1で制し、決勝に進出しました!!)

午前中は、師匠の谷口徹(=写真右)との練習ラウンドで、コースの下見を入念に、試合がなかったこのひと月半の間は毎週のように、地区オープンや競技会に参加して、試合感も切らさぬように、この大会に備えてきた。
春先は、さらなる高みを見据えて、スイングやクラブに試行錯誤を重ねたことで、かえって思うような成績が残せなかったが、「僕の場合、調子があがってくるのは夏以降なので」と、ジタバタもせず、静かに好機をにらんで泰然自若で初日を迎える。

この最古のオープン競技は1975年に、ドンこと亡き杉原輝雄氏が3連覇を達成するなど大変歴史のある大会だが、さまざまな事情で一度はツアートーナメントから外れたあと、再び2009年の“復帰”から4年を経て、連覇を達成した選手はまだいない。
「今年は、僕にだけそのチャンスがある。負けられません」。
武藤が新たな歴史を作る。

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