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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2011
丸山大輔が首位浮上
「いや、別にパナソニックさんに所属しているわけではないので。何なんでしょうね」と首をかしげて「でも一度優勝していることもあって、社長さんや関係者の方には手厚く扱っていただいてます」と、感謝した。
一昨年の優勝時には、高額賞金もさることながら、副賞の同社製品一式は、ことのほか重宝させてもらった。「自分たちというよりも回りがですね。“○○が壊れた”とかですね。まあ、みんなが潤えばそれでいいかな、と」。今大会での優勝の味は、誰よりも知っている。
再びそのチャンス到来も、だからこそその厳しさを、誰よりも知っているつもりだ。
「今日のピンポジ(=ピンポジションの略、ピン位置のこと)もすごかった」。
マウンドのてっぺんに立ったピンフラッグに、この日5位につけた藤田寛之は「お子様ランチみたい」と、上手いことを言った。丸山も例外なくいきなりボギーを打った。
「あれをやられちゃうと、バーディを取るどころの話じゃない」。
2年前の優勝も、そうだった。最終日にひとつもバーディが取れないまま勝ったのは、85年以降の記録なら、史上2人目の珍記録と騒がれたが、今回もまたその再現となりかねない。
「明日も警戒しながらいかないと。攻めるところと守るところはっきりとさせていかないと」と、改めて胸に言い聞かす。
同時に、厳しい条件こそ望むところと、胸を躍らす。
「みんなが苦しんでいるところでスコアを出したい」。そこに、快感を覚える。「簡単にバーディが取れるコースよりも、1打1打に気合が入る。緊張感があるコースで妙に気合が入るんです」。厳しいセッティングこそ、血がたぎる。
それこそが、大会と相性が良いというゆえんだ。
我慢比べは体力勝負。今年40歳。「若手に負けないでやれているのも、そこが大きい」。ちょうど、2年前から取り組んだ肉体改造も、今年はさらにバージョンアップ。1月のハワイ合宿は、プロ野球ソフトバンクの選手に混じって「死ぬほど走った」。
オフに通う都内のジムでも、痛感する。「一番やっている人が、一番強い」。特にダルビッシュ有選手のストイックな姿勢には、感心を通り越して「恐ろしさを感じる」と、いつも鳥肌がたつ思いがする。
「自分も」という気にさせられる。
タフなコンディションでもしぶとく戦えるのも、そのたまもの。
「体力がつけば、気持ちも充実してくる」。
このまま実りの秋を迎えたい。