地元沖縄で歓喜に酔いしれた夜に、名古屋の自宅に帰ったら、娘がちょっぴりしょげていた。
宮里がプロ日本一で、2試合連続の地元Vを決めたちょうど同じ日、“デビュー戦”を飾った。
スナッグゴルフの全国大会の出場権をかけた三重・愛知の地区大会で、長女の萊杏(らん)さんが通う南山大学付属小が、みごと優勝を飾り、切符を手にしたのはいいが、「本人はショックを受けていた。自分があまりに下手過ぎた、と」。
愛娘が勝負の厳しさを痛感したその日、父親として、せめて吉報を持ち帰れたのは、良かった。
翌月曜日は、やっぱり朝6時半に起きて、「粛々と業務をこなした」。いつものように、子どもたちの送り迎えをこなした分、クラブはいっさい握らず、たっぷり1日、育児に専念。その頃にはすっかり頭を切り換えて、再びその夜に、自宅を出てきた。
それから入ったコースは2009年に、「アジアパシフィック パナソニックオープン」が行われた京都府の城陽カントリー俱楽部だ。
同年3日目には「66」を出して「イメージは悪くない」。右ドッグレッグのホールが多いコースは「フェードヒッターが有利」とにらんではいるが、「やってみないと分からない」。
クールな本人とはうらはらに、先週に引き続きざわめく会場。
1973年のツアー制度施行後の記録で言うなら、3週連続Vを達成した選手は過去3人(4回)。
年内の出場3試合連続Vなら2人(3回)。
年またぎの出場3試合連続なら1人いる(以下※参照)。
「本人はあまりそういうのは分かっていない」とは言いながら、やはり周囲は黙っていない。
今週も、選手会長が期待を背負って立つ。
「まずは、4日間やることが大事」と、丁寧にラウンドを重ねながら、大記録達成の道筋をたどっていく。
※過去の3週連続V
グラハム・マーシュ(1974年)
謝敏男(1982年)
尾崎将司(1994年)
※過去の出場3試合連続V
青木功(1986年)
尾崎将司(1990年)
尾崎将司(1996年)
※年またぎの出場3試合連続V
片山晋呉(2000年)