99年の今大会は、桑原にとって思い出の試合となった。その週の火曜日（10月26日） に、長男・一貴君 が生まれたからだ。それに勢いづいたパパは大ハッスル。川岸良兼と最後まで優勝争 いを繰り広げ、2 位に入った。

今年も、桑原にあのときとまったく同じ現象が、起きている。今週火曜日（28日）の 朝、今度は3人目の次女が誕生。朝、会場にむけ名古屋の自宅を出発して約80キロば かり行ったところで、妻・恭子さんから「産気づいた」との一報が入り、トンボ帰り して、出産の瞬間に立ち会うことができたのだ。

「怖くて、分娩室の中までは入れなかったけど、すぐそばでじっと待っていました。 部屋の中から“お ぎゃあ”と声が聞こえたときは、ほんと感動しましたね。何回経験しても赤ちゃんは いい！！」。
娘と恭子さんの元気な顔を見届け、「今年も、子供のために頑張りたい気持ち満々」 で、改めてコース 入りしてきたのだった。

そんな気持ちをぶつけるかのように、この日3日目は、ボギーなしの67をマークして6 位タイ浮 上。「ゴルフの調子自体はあまり良くない。その分、色気が出過ぎなくてちょうどい いのかも。ちょっと差は開いちゃったけど、4年前の再現をするくらいの気持ちで頑 張ります」と、さらなる上昇を誓っていた。

• 桑原 克典