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アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 2016
小平智は「難しいコースほど燃える」と単独首位に
戦いの舞台も、申し分ない。関西きっての名門。「僕は難しいコースほど燃える」と、大正12年に開場した歴史と伝統の茨木カンツリー倶楽部で、初日から攻めの姿勢を貫いた。
ボギーなしの7アンダーでやってきた最終ホールの9番で、今週最初のボギーは痛いが、「それでも今日は運がある」を前向きだ。右の林に打ち込んだティショットは、さらにその奥の池ギリギリまで転がり落ちたが、赤杭の中の「打てるところにあって本当に良かった」。
不自然な姿勢からのショットもひとまず脱出して、パーパットも10メートル以上が残ったが、6アンダーの出だしも「最後のは仕方がない」と初日から、コースに一片の悔いも残さず潔く上がってきた。
夏場以降は、芝質のまったく異なるトーナメントが続いて、調子を崩していたパッティング。先週は北海道で毎日、暗くなるまで練習を重ねた。
「アドレスでしっくりいくところを見つけた。ANAオープンで気づいたものがあった」と、さっそく生かした。「今日はショットでついたところは、必ず入ってくれた」とチャンスを逃さずモノにした。
昨年の日本オープンの優勝枠で、リベンジに出向いた7月の世界メジャー。全英オープンは、2013年の国内メジャーは「日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills」で初優勝を飾って、初出場を果たしたものの、手も足も出せずに「凄く悔しい思いがあった」。2度目の挑戦は「ぜひ結果を」を、意気込んだがまた予選落ちを喫して、改めて小技の重要性を痛感して帰ってきた。
さっそく磨きに磨きをかけてきたアプローチ。特に、谷口徹に「とてつもなく言われていた」とけなされていたバンカーショットも「今は入れても楽にパーが取れる」と、おかげでコースマネジメントも練れるようになった。
むしろ「入れたほうが寄せやすい場合がある」と言うまでに成長したツアーきってのショットメーカーが、さらに小技の底上げを図れば、もはや怖いものもない。
トレーニングやラウンド後のケアにも力を入れて、これからシーズン後半に向けて体力の不安もない。
「僕もいつかは」と目論む小平には米ツアーで揉まれる松山英樹や岩田寛、石川遼らがまぶしくて仕方ない。
「凄く刺激になっている」と向ける視線は、この日同じ組で回ったアジアンツアーの選手に対しても同様だ。
韓国の王情訓(ワンジョンフン)は、今年5月に欧州ツアーで2週連続優勝をなしとげた選手だ。確かに、上手いとは思うが「僕と何かが凄く違うわけでもない」と、それも励みに。
海外勢との交流試合は、今の世界情勢を知る上でも大事な一戦だ。