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三井住友VISA太平洋マスターズ 2020

2020新顔は初の御殿場で支え、支えられ。勝俣陵(かつまたりょう)が安心の「69」をマーク

真ん中が勝俣。先輩(右)と親友キャディに挟まれ頑張ります
コロナ禍の今季デビューした新人は、プロとしてプレーする初の御殿場。ツアー2戦目の勝俣陵(かつまたりょう)は「まったく自分のゴルフはできませんでしたが、スコアになってよかった」と初日を「69」でまとめた。

18年大会では、この日同組で回った日大のひとつ先輩、阿久津未来也(あくつみきや)のキャディをつとめた。前年にプロ宣言したばかりの勝俣の”実地研修”。
「あの時の舞台に今度は自分もプロとして、帰って来られた。開幕を、楽しみにしていた」。

とはいえ、あれから改良を重ねられ、グンと難易度を増した御殿場。
実際に自分が回ってみる景色とは全然、違った。
キャディ時とはメンタルも違った。

そばで見ていた先輩の阿久津も、「勝俣があんなに緊張しているのを見たのは初めてでした」と、振り返っている。

レギュラーツアーは、まだプロ2戦目。
「最初はすごく緊張して、ほとんどグリーンに乗らなかった」と、序盤はことごとくパーオンに失敗。

出だしで、連続ボギーを叩いた。
それでも、今度は支えてくれる人の存在を頼りに踏ん張った。
今週、勝俣のバッグを担いでくれる竹内大(たけうちだい)は日大同期のプロゴルファー。
共に埼玉県の出身で、試合のない日はほぼ、毎日一緒に過ごす。
「何をするでもないけれど、一緒にいても気にならない。熟年夫婦みたいな感じかな」。
後半の9ホールでも息の合った挽回を見せて、3つのバーディで1アンダーまで戻してきた。

この日は2アンダーで回ってきた先輩の阿久津も、「勝俣が後半、伸ばしてくれて本当に良かった」と、揃って好発進を喜んだ。

中2まで8年間頑張って続けた野球でケガ。レギュラーを外れた気晴らしにと、父と行ったゴルフで夢中に。埼玉栄高校3年時の関東大会で個人、団体共に制覇。進学した日大で、阿久津や竹内らと出会った。

「阿久津さんはいい意味で、後輩に気を遣わせない人」と、肩の凝らない先輩の励ましにも救われた。

17年12月にプロ宣言したものの、なかなか出番に恵まれず、先月10月の日本オープン(27位)が、やっとデビュー戦だった。
3年目の今年はコロナ措置で行われた特別QTは、首痛で棄権。後がないだけに、9月の「大平洋オープン」優勝で手にした今大会の出場資格は超貴重。
「明日はしっかり予選を通過して来週につなげる」。
2年前には先輩を支えた御殿場で、今度は親友に信頼をゆだねて奮闘する。
  • 気にかけてくれる先輩の存在も励み

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