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重永が永野が石川が熊本地震への復興を願う(8月20日)

ツアー開幕戦の大会初日のプレーを終えて、ホテルで床につこうという頃だった。
重永亜斗夢は同い年でツアー仲間の永野竜太郎に電話をしながら、テレビで報道される情報にくぎ付けになった。
あの建物が、あの橋が、あのゴルフ場が、どんどん入ってくる情報に衝撃を受けた。
もちろん、自身が住んでいるところも影響を受け、家族は避難を余儀なくされ、不安な時間を過ごすことになった。

あれから2年。

二人の地元プロの情熱が、ゴルフの常識を超えた新しいイベントの形として実現した。
テレビ熊本の応援もあって、熊本市の繁華街のアーケードのど真ん中に特設ステージを組んでの、「熊本地震復興応援・まちなかゴルフアカデミー」には、重永、永野のほかに、スペシャルゲストとして新選手会長の石川遼がサプライズ登場。

アーケードの中央を、買い物客をかき分けて走って登壇すると、事前応募の200人に加えてそれを囲む多くのファンは、カメラやスマホを取り出してパシャパシャと撮影での歓迎をした。

トークショーではカラオケの十八番曲やら、プロゴルファーにならなかったらどんなお仕事をしていたか等々、トーナメント中継では聞けない話題で盛り上がり、アトラクションでは、バドミントンの羽根をアイアンで打ち傘をひっくり返したネットを狙う「ターゲットバードゴルフ」にも挑戦した。

重永、永野、石川の順で、ターゲットの位置を変えながらポイントを競い合ったが、最も遠い距離から放った石川のフルショットは、大きな放物線を描くと、ジャストで的に収まり、大きな歓声と拍手が商店街に響き渡った。
1ポイント遅れをとっていた重永は、最後のショットでたまたま来場していた家族が的を持つことになり、やや短いかなというショットだったが、家族愛からなる「微調整?」により的に収まり、こちらも石川に負けないほどの拍手を受けて会場は和やかに盛り上がった。

選手会長の石川は、「このような形で皆さんとお会いすることができましたが、次回はゴルフでも皆さんと触れ合える機会を作りたいと思っています。来週は同じ九州の福岡県でRIZAP KBCオーガスタが開催されます。まだまだ復興には時間がかかると思いますが、これからもできる応援をさせて頂きたいと思います。」と挨拶し、ステージから降壇すると、再びアーケードのど真ん中から重永、永野と共に、温かい拍手を背中に受けた。

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