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中日クラウンズ 2003

『昨日の首位、取り戻しました!』前日トラブルの手嶋多一が首位タイ浮上

大会初日、一度は首位でホールアウトした手嶋。だが、15番ホールでJGTローカル ルールの臨時の動か せない障害物の処置ミスをしていたことがあとからわかって、2罰打を加えられ、3位 に転落していた。
それだけに、68でまわって通算8アンダーで首位に並んだこの日2日目ホールアウト後 の第一声は、「昨 日の分、取り戻しました」と、苦笑いだ。

和合との相性は、悪くない。過去には、ここで何度も優勝争いを展開し昨年は4位。 「きっと僕のプレ ースタイルと、コースがとても合っているからだと思う」と自己分析だ。
連日、大ギャラリーが押し寄せる今大会は各ホールをグルリとファンが取り囲み、実 際よりも、コース が狭く感じられる。加えて、待ち受けるグリーンは打ち上げており、面積も小さめ。
「がっついてピン を狙うと、大きなミスになりやすい。“イケイケタイプ”の選手には、怪我も多い」 と手嶋はいう。 「でも僕はもともと『グリーンの真中においてパットでしのいで』というタイプだか ら。ここ和合では かえってチャンスが多くなるんでしょう」。
さらにもうひとつ、和合を難しくさせているのが、クルクルと向きを変える微妙な風 だ。
フェアウェー左サイドの木は激しく揺れているのに、右側の木はピクリともしない、 などという状況の 中で、「まったく読めない」と首をかしげる選手たちが圧倒的だ。
だがその風も、手嶋にはそれほど苦ではないようだ。 手嶋には、13番ホールの左横付近で揺れる、テレビカメラ用の黄色いバルーンがその 目印。
「今日も、常にあのバルーンを見ながら風向きをチェックしました」と、ほとんど惑 わされることがな かった。
決勝第1日目は、地元の近藤とテラバイネンと並んで、「団子状態」でのスタート だ。 「きっと近藤君への応援がものすごくなると思うから、それに負けないよう3つ、4つ と伸ばしていく」 取り戻した首位の座は、もう最後まで、手放したくない。

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