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武藤と永野が福島県でファンミーティングに参加

今年もまたいよいよ夢のチームが福島で結成される。その前日にメンバー2人が先入りをした。武藤俊憲と、永野竜太郎が一足先に現地に入ってさっそく、火花を散らした?! 最初のデモショットは貸しクラブでも、ぶっつけ本番でも、まず快打を連発したのは武藤だ。

「…信じられない。いきなりなんでそんな上手く打てるの?」と、永野の小さな独り言を、武藤は聞き逃さなかった。「俺を誰だと思ってる?!」。

早くも戦いは始まっている。翌16日日曜日は、いよいよ「スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ全国大会」。年に一度の子どもたちの祭典に、今年もプロゴルファーたちが割って入る。1日限定のドリームチームを編成して、子どもたちに戦いを挑むが同時にそれは、プロ同士のプライドをかけた戦いでもある。

同大会では成績に反映されるチームスコアは6人中上位3人まで。しかも、もっとも悪いスコアで上がった選手には、成績表に不名誉な※(こめじるし)がつくとあらば、どんなトッププロでも気合いが入らないわけがない。

6年ぶり2度目の出場となる武藤も、2年連続2度目の永野もまだ※をくっつけたことはないが、それぞれ同大会での自己ベストは22ストロークと今のところ互角の戦い。
「明日は負けん」と互いにひそかな闘志も、ひとまず押し隠して15日土曜日は、揃って笑顔で地元ゴルフファンの前に立った。

この日、福島県西郷村にある練習場「エイトゴルフガーデン」で行われたのは2週後に控えたジャパンゴルフツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の大会PRをかねたタイアップイベント。

公募で集まった、それぞれ10人の一般アマとジュニアとのレッスン会や、トークショーで触れあう「ファンミーティング」で、武藤と永野が一役買った。
永野が教えた西郷村立米(よね)小学校5年の北上駿介くんは、翌日のスナッグゴルフ全国大会の出場選手でもあり、大事な試合の直前に「プロに教えてもらえて嬉しかった」と、本戦での活躍にもますます期待がかかる。

また、武藤に教わった高橋ひろ子さん。「グリップの握り方を変えただけで劇的にスイングが変わった」と、感謝感激。「福島は復興半ば。全県あげて、完全復興をとげて、ゴルフが大好きな県民のみなさんが、また心からゴルフを楽しめるようになればいい。福島で一生懸命に生きていく」と会の最後に挨拶してくださったのは、元・西郷村の教育長で今は地元NPO法人「ゴルフタウンしらかわ」の理事として、地元ゴルフの活性化に奔走しておられる加藤征男さんだ。

高橋さんもまた、地元の総合型スポーツ推進会「西の郷(にしのさと)スポーツクラブ」のクラブマネージャーであり加藤さんと共に、実は地元で大変な縁の下の力持ちなのである。翌日のスナッグゴルフ大会では揃って子どもたちの競技委員をつとめて下さることになっており、武藤も永野もいわばこの日は、大会を通じてお世話になっている地元のみなさんに、精一杯の恩返し。

「プロゴルファーならではの視点や、迫力を味わっていただくことで、ご自身のゴルフにも役立てて頂きたい」と武藤も永野も、つい指導の声に熱が入った。途中から雷がごろごろ鳴り始め、とうとう降り出した大雨は、練習場の屋根から吹き込むほど。加えて夏の蒸し暑さに、びっしょりと濡れたシャツは汗か、それとも大雨のせいか。何物をもいとわずに、渾身のレッスン会で福島の人々を喜ばせた2人。

参加してくださった方々のほとんどが、本戦のトーナメント観戦に来て下さると約束してくださった。「もちろん、本戦でも良いプレーをみなさんにお見せしたい」と誓った武藤。
永野は、大会発足時の2014年に2位タイに入った。「思い入れのある大会で、今年も良い成績を残したい」とその前に、やっぱりまずは大事な勝負は明日!

スナッグゴルフの全国大会で、並み居るプロは子どもたちに混じって「※(こめじるし)にはならないように、頑張ります!!」。翌15日には、ドリームチームの他4人のメンバーと、会場のグランディ那須白河ゴルフクラブのNASUコースで合流するが孔明も、北村晃一も和田章太郎も木下康平も、武藤と永野と同じ気持ちで乗り込んでくるはずだ。

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