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シード1年生! 大堀裕次郎が目指す2017年

右も左も分からぬ2014年のデビュー時に、きさくに「メシに行こう」と誘ってくれた。それをきっかけに、何かと世話になっている、先輩プロの武藤俊憲も、弟分の初シード入りを歓迎しながら「もっと早くても良かった。裕次郎に関しては、何も心配していない」。

本人も、苦笑いで「“学院”の人間は、みな1年目はきれいに打ち砕かれる」。
今や、強豪・東北福祉大をしのぐ勢い。大阪学院大学の元キャプテン。プロ転向前から、活躍を期待されたが当時は182センチの身長に対して、体重60キロと「細すぎて、肋骨折れた」と、デビュー直後のアクシデントで出遅れた。

そんなところは踏襲しなくても良いのに、続く長谷川祥平や、今年のデビュー組なら超大型の亀代順哉らその後、続々とプロ転向を果たした後輩の有望株らも、みな何らかの形でルーキーイヤーのスタートダッシュには、失敗しており大堀自身も、4年目のシード入りはちょっと遅かったかと反省している。

何が足かせになったのか。
武藤も、武藤の師匠の谷口徹もそうだが、「先輩たちは、やっぱりメンタルの凄さ」。トップクラスの選手たちと、交流を深めるほど痛感するのは強靱で底抜けのプラス思考だ。

「武藤さんは予選落ちをしても“そういう週もあるよ”と。そして、いきなり翌週にはV争いとか」。谷口もまたしかりで、たとえば「パットが入らない」とぼやきながらも、「それで悩むという素振りがない」。
もちろん、技術と経験に裏打ちされた自信のたまものではあるのだろうが、「無駄に考え込んだりしない。僕はまだまだダメですね、いちいち考えちゃうから」。
超一流の絶対条件。先輩らの域にはまだまだだが底抜けのプロ根性を、見習い盗んでいる途中である。

1月のシンガポールとミャンマーの海外2戦。灼熱の今季初戦から戻ってすぐ極寒の雪山に出かけていった。
地元兵庫のハチ北高原で、初めてのスキー合宿。
2月10日から1週間ほど。クロスカントリーで朝から晩まで滑り倒せば、下半身の強化はもちろん「ストックを握る腕も意外とキツくて。酸素も薄いし、持久力もついたと思う」。

年明け早々はアマ時代から、指導を受けるベテランプロの湯原信光と、2週間ほどをタイで過ごした。
トレーニングとラウンド合宿の合間に昨年感じた悩みを相談してみた。

シーズン中は、常にスイングを撮って逐一チェックしていたものだが「動画では良いスイングをしていると思うのに、調子が悪いことがあるんです」。
湯原は「良いスイングと、ゴルフの調子は比例しないよ」と、あっさり言った。
「動画でチェックするのもいいが、もっと感覚を磨いて対応力を高めるほうが大事」と言われて、良い意味で肩の力が抜けた気がした。

基礎体力の強化も必須条件。
昨シーズンは、初の本格参戦に「あんなに続けて試合に出たのは初めて」と終盤は息切れして、思うように結果が残せなかった。
あの悔しさを払拭しようと、開幕準備に余念がない。

すらっと長身に一見、クールな顔立ちも実はこう見えて“ジブリファン”。また温泉好きで、各地の名湯を巡るのが、オフのささやかな趣味という松山、石川と同学年の25歳。
「今年の目標は、もちろん優勝。それが一番、勢いに乗る近道。そこからさらに、上を目指していきたいです」。
ルーキー年の出遅れを、今年は一気に取り返す!!

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