記事
SMBCシンガポールオープン 2016
いよいよ迎える大会初日、スピースとの直接対決を果たすのは
2人とも、世界1位との初顔合わせを楽しみにしている。
いよいよ開幕を翌日に控えた27日水曜日の共同記者会見では、昨年の賞金ランク3位の池田勇太も合わせて、日本のトップ3が一堂に会して、抱負を語った。
「なかなかないチャンスなので、一緒に回れると決まったときは、凄い嬉しかった」とは、庚泰(キョンテ)。「僕のスピースのイメージは、パットが上手いこと。どうやって打つのか実際に試合の中で見てみたいし、勉強したい」と、8つも下の世界一からその技を、盗む気満々だ。
そしてもう一人の優作は、26日の火曜日に初日の組み合わせが発表されたときには、驚いた。「キョンテは日本の賞金王で当然だけど、もう一人はアジアンツアーのトップの選手だろう、と・・・」。それが蓋をあけてみれば、日本ツアーの1、2トップでスピースを挟み撃ち。
思いがけない直接対決には、自ずとテンションも上がるというものだ。
庚泰(キョンテ)は、スピースのパットのうまさを例に挙げたが、優作は「むしろティショットのラインの出し方が上手いイメージ。コース攻略においても、メンタル面でも非常に賢い選手という印象です」。
一昨年は、ダンロップフェニックスで日本ツアー初参戦したスピースだが、現在の地位は、当時とは比べものにもならない。米ツアーの14〜15年シーズンはマスターズと全米オープンのメジャー2連勝を含めて5勝をあげて賞金王に。
今季も、すでに米「ヒュンダイトーナメント」で1勝をあげて当分、その地位は揺らぎそうにない。
「そんな選手と滅多に回れるものではないし、NO.1と回れることで、今の自分がどの程度か分かる」と、わずか1年で世界一に上り詰めた22歳に驚嘆と、羨望のまなざしを向けながらも、みすみすひれ伏すつもりなど、さらさらない。
青木功にも、常に言われてきたことだ。「一緒に回っている選手には、負けるなと。スピースはもちろん、キョンテにも、負けない気持ちでやる」と、新選手会長は言い切った。
そして、あくまでも大切なのは、このこと。2人に負けないという気持ち以上に、「この試合で勝つこと。明日からそこにフォーカスしてプレーしたいです」。
今季はすでに、米ツアーの「ソニーオープンinハワイ」で自身の初戦を迎えたが、優作にとってはジャパンゴルフツアーの選手会長に就任してからの日本ツアー第1戦。
「ここに来てからも、会う選手、会う選手から、何か協力できることがあれば、言って、と」。試合会場では選手と、会長職にはメリハリをつけて、この1年、臨むつもりの優作だが、それでも「みなさんに声をかけてもらって有り難かったし、嬉しかった」と、その立場と責任をひしひしと感じつつ、いざ世界一との戦いに挑む。