記事

i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘 2018

夢への道のはじまり!高柳直人が悲願の初優勝を飾る

「最終日はやはり思うようなゴルフをやり切れませんでしたね」。疲れた様子で答える高柳だが、そこには安堵の微笑が漏れていた。2位以下に3打差をつけて迎えた大会最終日。今週は“平常心で同じテンションでプレーする”を課題に取り組んでいたが、さすがに緊張感は否めなかった。前半は自身でも合格点をあげられるほど手応えを感じるショットを打てていた。ただ、バックナインに入ると11番のパー5で痛恨のボギーを叩き、流れは完全に悪いほうへ。しかし、ここまできたら何が何でも勝ちたいという強い気持ちが、悪い流れを踏みとどめた。
初優勝に向け、プレッシャーのかかる状況下で自分のプレーに集中し切った。そこには前日に送られてきた師匠・芹澤信雄のエールの後押しがあった。さらには2日連続で藤田寛之からも激励のメッセージも届いていた。高柳がチーム芹澤に入って得たものの中で、最も大きかったのがこの環境なのかもしれない。
「優勝争いをしている状況で、あり得ないミスが出て負けた話など、藤田さんや宮本さんから色んな話を聞かせてもらっています。それで気づいたのが、トッププロでもそういうミスが出るんだということ。だから自分が試合でミスをしてしまうのは当たり前のことなんだと思えるようになりました」。
プロゴルファーとは孤独なもので、悪い時ほど自分の世界に入りがち。悪い意味での完璧主義になる傾向があり、高柳自身もそうなりかけていたのかもしれない。そんな時に芹澤をはじめとするチーム芹澤の面々の話を聞くことができたのは大きかった。何よりも彼らには実績がある。彼らが話す言葉ほど説得力があるものは他にはないだろう。高柳は本当にチーム芹澤に入ったことを感謝している。ただ、まだスタート地点に立ったにすぎない。藤田からは「早く上がってこないと俺がいなくなるぞ」と葉っぱをかけられている。また、同級生の重永亜斗夢がツアー初優勝を飾り、1つ年下の小平智がPGAツアーで優勝したことも大いに刺激になっていた。自分も早く同じフィールドで戦いたいと思っていただけに、この優勝はその足がかりになるはず。
高柳はこの優勝で男子ツアーの『〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤルゴルフクラブ』への出場権を得る。距離が長く、難攻不落と言われるコースだが、高柳にとって地元での開催トーナメントだけに燃えないわけがない。自身の成長を確認し、試す場として最高のフィールドが与えられた。その先には、夢の全英オープン出場が待っている。

関連記事