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フジサンケイクラシック 2016
“トリオルック”でV争い。趙珉珪(チョミンギュ)が単独首位に
15番、16番で1.5メートルのバーディでついにケネディを捕らえると、17番のパー5で4打目のアプローチを58度のウェッジで、チップイン。最終日を前に、首位を奪い返した。
いよいよ単独首位で迎える最終日最終組の勝負服は、「ピンクか赤で行く」と宣言したのは、ケネディへの伝言でもあった。
この日は朝のロッカールームで、顔をつきあわせて互いに目が点になった。ペアルックみたいな、緑のウェア。
契約先が同じタイトリストだから、なおさらそういう事件は起きがちだが、「他のウェアは全部、ホテルに置いてきたから、着替えに
戻るわけにもいかないし。しょうがないね、今日は“カップル”で行きましょう」と、ケネディと笑いあったが、事はこれで終わりではなかった。
いざ1番のティーインググラウンドに上がったら、なんともうひとりのJ・B・パクも、やや薄い色ではあったが、緑のウェアでずっこけた。
3人お揃いだから、トリオルック?
ロープの外からギャラリーのみなさんのヒソヒソ声が、くすぐったい。
「一緒だね」。
「合わせたのかな?」。
「偶然かな?」。
「着替えたら、良かったのに」と、さまざまなご意見を聞きながら、ラウンドした18ホールだった。
「明日、ケネディさんは何色を着ますかねえ・・・」。
その点も、優勝争いの行方と同じくらいに、気になる珉珪(ミンギュ)である。
今年28歳にして、韓国と日本を合わせても2011年の関西オープンがまだ、自身唯一の勝ち星である。「初優勝もそうでしたけど、2度目はそれ以上に難しい」と、自身3度目の最終日最終組も、厳しい戦いになることは、承知の上だ。
「明日は、自分以外の選手はみんな怖い。でも、ゴルフは自分とコースの“ファイト”。明日も、自分のゴルフが出来れば」。
マイペースが悲願の2勝目の鍵になる。