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東建ホームメイトカップ 2017

現在、最長のシード権保持者! 48歳の手嶋多一も存在感

48歳にとってはこの国内開幕戦は、まさに今季初戦。初シードから21年目の春もまたベテランは、好物のコーヒー片手にふらっとティーインググラウンドにやってきて、さらっとティショットを打って、ぶらっとコースに出ていった。

内心は思うところもあるのだろうがその風情には、どこにも気負いは見られない。今年も、自然体。そんな21年を、ずっと頑固に継続してきた。

スタートの10番こそ「2打目を引っかけた」と、この日はボギーの出だしも、「パットが良かった」と、そこから5つのバーディを積み上げて「今年は想像以上にうまくいってる」。

いつもは「他の選手の反応を見てから」という慎重派も、今回ばかりは「いち早く変えた」。昨年11月に持ち替えたというミズノの新しいドライバーが、思いのほか飛んでいるといい、「今まであそこは2打で届いた記憶がない」という12番では245ヤードをスプーンで乗っけて難なくバーディを奪い返した。

15、17、1番と「きわどい距離が全部入った」。相変わらず強気のタッチで高速グリーンを仕留めると、4番では命拾いだ。
「2打目をひっかけて、池に行ったと思った」。
運良く隣の5番のティーグラウンドに残っていた。ピンまで108ヤードの3打目を、ウェッジで1メートル半につけた。
一転、チャンスも逃さなかった。
通算6アンダーで、決勝ラウンドに進んだ。

元祖練習しないプロ。このオフも「やばいくらい何もしてない」。7度のラウンドは、これでも「いつもよりも1,2ラウンド多いくらい」。
同世代が体の故障に泣く中で、「公園を、少し走ったくらいで、トレーニングもしていない。それでも痛いところはどこもない」。
もっぱら本を読んだり、サウナに行ったり。「子どもが帰ってきたら、相手をしたり」。
完全休養のオフも相変わらずで、今年も記録更新に期待がかかる。

「自分では別に何ともないが、周りから言われるので」。
賞金ランキングによる連続のシード権は、継続中の選手としては現在、最長の21年。歴代記録でいうと、3位タイ。
「今年もそれを早めにキープした上で、優勝争い出来たら」。
2014年の日本プロで得た5年シードで、レギュラーツアーの出場権は52歳まで確保される計算だが「やっぱり、そこにこだわりたい」。
ただ出るだけではプライドが許さない。
肩の力が抜けたプレースタイルも、底抜けのプロ根性を秘めてこそだ。

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