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レオパレス21ミャンマーオープン 2016

6年ぶりのミャンマーで復活を期す。矢野東が3位タイに

7番と最後の18番。3パットを2度したが、そんなことは気にしない。「このコースでは仕方ない」。熱帯の気候柄、どこまでが芝生で、どこまでが雑草なのか。グリーンも複雑に入り組んだ芝目は、真剣にラインを読んで・・・なんて、バカ丁寧にやっていたら、それこそバカを見る。
「適当でいいんですよ。こういう運、不運があるコースでは、欲をかくと心が折れちゃう」。良い意味で、開き直って66。

それよりもまず、矢野が目を見張るのはここミャンマーのこと。2010年は、先輩プロで仲良しの平塚哲二が優勝を飾った今大会に続く、2回目。
「前に来たときはもっと怖いイメージがあったのに」。6年ぶりに見るヤンゴンの街は、劇的な経済発展をとげて、当時とは雲泥の差だった。
「あんなホテルもなかったですし」。今回の大会指定ホテル「ノボテルヤンゴンマックス」は、2015年に開業したばかりで、これまた目を見張る豪華さだ。
「前回の記憶がなくなるくらい、街全体が変わっていて」。
そんなこんなで、一度は来ているからミャンマーのゴルフ場だって、どうにか対応していける。「ホールごとにコンディションが違っていたり、グリーンの固さがまちまちだったり。そういうのいちいち、気にしていたらプレーが出来ない」とおおらかに、首位と2打差の3位タイで初日を終えた。

昨季の賞金ランクは64位につけて第2枠ながら、シード選手として戻ってきた今季。「苦労した分、ちょっとは成長して戻って来られたと思います」。2000年のデビュー2年後に、初シード入りを果たした。「世間知らずが若くしてお金を持って、調子こいて生きていた。おごりがずっとあったと思う」。

プロ人生初の不振を経験してみて知った、誰かに支えてもらうことのありがたみ。「ダメになったときに応援してくれる人や、ファンの存在。苦しいときにこそ、そういうのが実感できた」。人の温かみを知ることで、真摯な思いで帰ってこられた。
「人間、苦労や挫折って大事なんだな」。身をもって学んだ。

支えてくれた人たちへの恩返しのためにも、復活元年は「もっともっと上で戦って優勝したい。そうでないと、やっててもつまんない。上でやれる選手でないと寂しい」。新年早々に、所属先主催のトークショーで、宮本勝昌がプロの目から見てもかっこいいプロゴルファーは、とファンから質問されて「東」と、矢野の名前をあげていた。元祖イケメンプロが、まずはミャンマーで再アピールだ。

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