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賞金王の年越し

今年もたくさんのご協賛をまことにありがとうございました!!
今季の自身の最終戦「インドネシアマスターズ」で12位に食い込んだが、年内のトップ50には至らなかった。世界ランク55位のまま年を越すことになった。年明け早々には米「ソニーオープン」と、日亜共催の「SMBCシンガポールオープン」の新春海外2連戦で改めて50位内を目指す。
「厳しくはなりますが、ぎりぎりまでマスターズの出場権を狙いたいと思います」と、今平。あくなき挑戦を控えて年末年始は賞金王のほんのつかの間の冬休みだ。

日本勢としては、石川と松山に次いで史上3番目の若さで王座についた。
そのほか最優秀選手賞と、平均ストローク賞、平均パット、バーディ率賞と、ゴルフ記者賞の計6冠で表彰を受けた年末のジャパンゴルフツアー表彰式や、その翌週末には男子と女子とシニアの対抗戦「日立3ツアーズ」など、男子ゴルフの顔として、マイクを握ることが格段に増えてそのたびに、どこからともなくクスクス笑いが起きるようになった。

身長165センチは歴代でもっとも小さなキングとして話題になったがそれ以上に、もっとも寡黙なキングといっても過言ではない。

無口な周吾。
ゴルフで注目を集めると同時につたないそのスピーチが、じわじわと知られるようになった。
最初は関係者の間でもっぱらの話題が今や、ゴルフファンのみなさんにも喋らないキャラが浸透している。

ジャパンゴルフツアー表彰式のあと、JGTO会長の青木と選手会長の石川とともに臨んだ受賞会見で、今平が一番最初に言ったのが「僕はこうやって、話すことが苦手で。なかなか自分の気持ちを伝えられないのを、メディアのみなさんにうまく発信していただき、本当にありがとうございました」。

上手く話せないことがたびたび話題にのぼることには本人も、これではいけないとの自覚もあるようだが一方で、「それを報道していただくことによって、ファンのみなさんにも“話すのが苦手な選手”と分かってもらえる。ありがたかった」。
そんな言葉を1年の礼に変えた歴代の賞金王は、いまだかつていなかった。

今季1勝にとどまったがその半面、トップ10入り13回という驚異の安定感や、小柄な体に秘めた卓越した身体能力などと共にいつもニコニコと、一見穏やかにも見える性格のうちに秘めた強烈な負けん気の強さや、人並み外れた平常心や集中力が、次第に炙り出されてくるにつれて、人前ではいつもモジモジとした受け答えにこそ、この選手の計り知れない強さが隠されていると、分かってくる。

思い返せば今季はシーズ途中にスポーツバラエティ番組で電撃婚約を発表するなど、まさに周吾の独壇場だった。
激動のこの1年。
「僕が毎試合で目標にしているのは予選を通過すること。4日間やるのが一番大事な目標で、今年は予選落ちが2回。そういう積み重ねが一番、賞金を稼ぐことができた要因かなと思う」と、振り返った。

「周吾はこの1,2年で2、30倍喋れるようになった」と、会見でそんな賞金王をフォローしたのは選手会長だった。
「彼は4日間やるのが一番大事と言いましたけど、その中でもスイッチが入ると必ず優勝争いをしていた。周吾は1日追うごとに、少しずつスイッチが入っていって、最後は上にいくイメージ。いつ一緒に回っても、リズムが変わらないし、スイッチが入らなかったとしても、常に上位にいる。技術的なレベルも非常に高い」と石川は、寡黙な賞金王を隣に置いて、その強さを饒舌に分析していた。

表彰式の登壇の前には「ないと不安」とA4用紙に自分であらかじめ準備してきたスピーチの“カンペ”の中身を小平が、チェックしてくれたり本人は、あまり喋るのが上手でなくても、周囲がハラハラと、手を差し伸べてくれるようだ。#表彰式の裏側

それでも最後はしっかりと、自分の言葉で来季の抱負を語った周吾。
シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を制した際に小平が、「日本でも海外に行っても自分のいいところを変えるな」とアドバイスしてくれたそうである。
「僕も、自分のスタイルを変えるとあまり良くないと感じたので。今は小平さんを目標に、海外の試合にも積極的に出て、しっかり結果を残せるように頑張って、国内では連続で賞金王が獲れるように頑張ります」。
今年の賞金王は控えめに見えて、意外と肝が据わってブレないのである。

(※写真最上段、上から右→左の順に)
「優勝ポイント」に「賞金ランキングポイント」、「平均ストローク」と「海外メジャーポイント」を加えたトータルポイントによって決定される「最優秀選手賞」を獲得した今平にはJGTO会長の青木功から記念のトロフィーと、東建コーポレーション株式会社の川本隆司・社長室長様より賞金100万円と、副賞として、全日本空輸株式会社の加藤秀晃・マーケットコミュニケーション部担当部長様より「ANAアメリカ路線 ビジネスクラス ペア往復航空券」が贈られました。

また、2位に3000万円以上の差をつけて賞金王に輝いた今平には森ビル株式会社の多田野敬・リゾート事業推進室室長様より賞金100万円と、副賞として、株式会社レオパレス21の福島範仁・執行役員様より「レオパレスホテルズ札幌・仙台・名古屋・博多いずれかの6泊宿泊招待券、またはレオパレスリゾートグアム6泊 宿泊招待券」が贈られました。

さらに、平均ストローク賞にはカシオ計算機株式会社の樫尾隆司・上席執行役員様より賞金100万円ならびに副賞として「G-SHOCK MTG-B1000D」が贈られました。

日頃より選手たちを近くで取材されているゴルフ記者のみなさまの投票で決まる「ゴルフ記者賞」には、メディアのみなさまを代表して報知新聞社東京本社編集局 運動二部の榎本友一・ゴルフ担当記者様より記念のトロフィーが授与されました。

今年も、12月3日のジャパンゴルフツアー表彰式には大勢のみなさまにお集まりいただき、選手ならびにジャパンゴルフツアーへの励ましのお言葉をたくさんいただきました。
また、スポンサーのみなさまには今年もたくさんのご協賛をいただきました。
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
  • 周吾のスピーチに…
  • みんながわらってる…
  • 周吾…話聞いてる??
  • 両巨頭に挟まれて…来季もがんばります!!

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