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熊本地震復興支援ジュニアゴルフレッスン会を開催(2月12日)

選手会長宮里と共に、益城町のジュニアを指導した永野と重永(左から)
記録的寒波に見舞われた2月12日。見上げる阿蘇山も、雪化粧をした熊本。3人とも背中にカイロを張って準備万端。めいめいサインペンを握りしめて、レッツゴー!
益城町立広安西小学校での電子黒板の寄贈式のあとは、せっかく熊本に来てくれた選手会長と、未来のプロゴルファーたちに会いに行った。
「熊本地震復興支援・ジュニアゴルフレッスン会」は選手会とJGTO主催。日本高等学校ゴルフ連盟のご協力。会場は、ひとつ返事で快諾してくださった。益城町の広崎ゴルフクラブはおじいちゃんが自宅の牧場の片隅に、打撃場を作ってくれる小学校5年まで、永野竜太郎が通い詰めた思い出の練習場でもある。

宮里優作と、こちらは菊陽町在住の重永亜斗夢と、地元ジュニア26人と、ふれあいの時間を持った。このレッスン会が永野には、はからずも新妻のお披露目式となった。3年の交際を経て1月9日に式を挙げたひとつ年上の博子さん。
昨年4月に大地震が発生してからというもの、選手会主導の復興支援はいつも、母親の益美さんのお力を借りてきた。その“後継者”として、凍える寒さをこらえてこの日の夫の貢献活動に付き添ってくれた妻の存在が、永野の決意をますます強くする。
「地元出身のプロとして、熊本に元気を送り続けたい」。
この日の指導にも、自然と熱が入った。

移りゆく季節の中でも、まだまだ地元への支援が行き届いているとは言いがたい。
それでも重永には、この日のレッスン会を通じて改めて、子どもたちのたくましさには目を見張る思いがした。
「震災なんかなかったかのように、みんなとっても元気で。びっくりした」と、それでもあのとき受けた傷口を隠している子もきっといて、そんな子たちも心から笑えるようにと心を砕いた。
この日参加してくれた東海大付属熊本星翔(せいしょう)高校のみんなにゴルフ上達の秘訣を伝授していたのがいつの間にか横道にそれて、恋バナに笑顔の花を咲かせた。

「どうやったら女の子にモテますか?」と聞かれた重永は、迷わず「練習してゴルフが上手くなること!」。動機はちょっぴり不純だけれど、それが何より上達の秘訣でもある!?
宮里も、永野も隣で腹を抱えながらも「うんうん」「そのとおり!」と重永に同調した。
中には迷わず、将来の夢は「プロゴルファー」という子もいてこれからも、そんな地元ジュニアの希望であり続けたい。

永野も重永も、揃って自己最高順位でシーズンを終えた昨年。「いつも熊本が心にあった」と地元愛が、何よりの原動力となったのは、間違いがない。
それでも「満足だったかといえば、そうではない」と永野もいうとおり、やはり互いにまずは1勝に手が届かないことには合格点にも届かない。

このオフは、それぞれ地元で鍛錬を積む日々だ。
永野は今年も“日本一の石段”から年が明けた。パツパツの太ももは、幼少期から通い詰める下益城郡の「釈迦院御坂遊歩道」で養われた。今年もさらなる活躍を期して、3333段の階段を黙々と駆け上がる。

重永は、実家近くの清水新地町の「サクセス1(ワン)」でこのオフも、両脇に20キロ超のバーベルを黙々と持ち上げる。ボディービルの県大会で1位の実績を持つオーナーが経営するこのアスレチックセンターで少しでも、ひょろっこい体を強くしたいと懸命だ。
今季初戦のシンガポールでは、さっそく持病の潰瘍性大腸炎を発症した。
今年も病いとの闘いも覚悟の上で「早いうちに、1勝したい」と幼なじみの永野とともに、悲願の初優勝をにらむ。
レッスン会の最後は選手会長と3人でサインペンを走らせながら、揃って「今年も常に熊本を胸に、地元に良いニュースを届けたい」と改めて誓った永野と重永だ。
  • まずは選手会長のデモンストレーションから。片足でほいっと器用に球を打つ宮里
  • 手取り足取りアトムのレッスン
  • 新婚・永野も熱が入る
  • みんな、また会おうね!!

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