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カシオワールドオープン 2014
賞金レースはいよいよ次週の今季最終戦に持ち越し!
今週も最終日にまた、息を吹き返してきた藤田寛之。インスタートのこの日は、後半の5番のパー5で、103ヤードの3打目をチップインイーグル。やにわにリーダーボードに名前を乗せて、これまたびっくりしたのなんのって。
「まじかよ!」と目を剥いた。「もう嫌・・・あの人、ほんともういや〜!!!」と、だだっ子のように吠えた孔明。「ほんと藤田さんは凄い。そんなのもう分かってる。毎回ですけど、分かってんですけど、絶対にいるだろうと思って見たらほんとにいた」と泡食った。
藤田は今週、辛くも予選通過に本人も「一時はダメかと思ったんですけど」。最下位でしぶとく決勝ラウンドに進んだと思ったら、またもや最終日は37位から大まくりの9位タイ。
先に走る孔明をスポーツカーにたとえて「あの人は、高速を150キロで走ってる」と藤田。自身は左肩の痛みを抱えて「僕は制限速度の80キロが精一杯」と話していたのは前日3日目。
完全にしてやられた。
藤田にいつの間にか抜かれていた。「今日は僕は130キロくらいで走れた。孔明はスローダウン?」とちょっぴり意地悪く「最近、孔明は僕の名前も出してくれなくなったから。でも、今日の66で、ちょっとは思い出してもらえたかな?」と、藤田は言ったがとんでもない。
この2日間は「あえて藤田さんの名前を言わなかったんです!」と孔明。「ずっと意識はしてますよ。意識はしてますけど僕が何か言って挑発したら藤田さん・・・」。
今週、勝って悲願の賞金王を決めるためにも、藤田にはおとなしくしていて欲しくて、あえて存在を無視したのだが、逆効果だったようだ。
「言っても来るし、言わなくても来るし、もう嫌!」。
この日は藤田にどうにか1打差まで詰め寄って、痛手を最小限にとどめることは出来た。これで賞金レースはいよいよ次週の今季最終戦の舞台に持ち越された。
次週は藤田が3連覇を達成しているいわば“庭”での対決も、手負いの賞金レースは依然として不利な状況には違いない。
「差も大きいですからね。僕は勝たなきゃという、わかりやすい状況になった」と藤田。「今週も諦めずにやって良かったので。ゴルフは何が起きるか分からないし、自分は一生懸命に頑張るしかない」。
孔明も、「勝ったやつが賞金王という気持ちで行く。悔いの無いゴルフをしたい」と、いよいよ今季最後の一戦。
「4位の選手にまでチャンスはあるですしね」と、孔明も言ったとおりに、賞金ランクは4位の岩田寛も、3位の近藤共弘にも逆転キングの可能性もないわけではない。
「僕も最後のワンチャンス。来週のラスト1試合を前向きに、いいゴルフをしたいと思います」とは近藤。
さあ、ついに決着の時が来た・・・!