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パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2019
プロとジュニアが夢の競演。V争い時のワンオンチャレンジを実施
3日目の最終組から後ろ10組で、公募により集まったJGAのジュニア会員10人がプロの最後にティショットを打つ。
海外ツアーでは「Beat the pro」と呼ばれ、本戦以上の盛り上がりを見せる。
未来のスター誕生を予感させるイベントは日本ツアーでは一昨年の「SMBCシンガポールオープン」でも実施されたが、国内では初の試み。
この日は、156ヤードにセットされた豪快な打ち下ろしの3番は、手前に大きな池が口を開けるスリリングなパー3。
しかも、背後には大ギャラリーがひしめく。
プロでさえ、緊張の一瞬。
10人中5人が、ワンオンを成功させた。
顔負けの1打を放つ子も出て、プロを震撼させた。
”第一号”は宮本、香妻、秋吉組で挑戦した山脇愛璃さん、神戸市立長坂中学の3年生だ。7番アイアンで、目測10メートルにナイスオン!!
「全然、緊張しなかったです!」と、言ってプロたちを驚かせた。プロと一緒にグリーンまで歩くが、ジュニアの子はパットは打たない。でも、バーディトライを打ってたら…?「多分、入れられたと思います」。我が子の強心臓に、そばのお母さんが冷や汗かいた。
続いて片岡と、先週覇者のクルーガー、片山組で奥15メートルに乗っけた久世夏乃香さんは大阪市の私立アナン学園高校1年。ボールをセットするティアップはなんと、片山がしてくれた。
「ドキドキが、人に聞こえちゃうんじゃないかと思ったくらい…」。緊張もはねのけナイスオン。
グリーン上ではバーディパットを外した片山が、「僕のパットも打ってもらえばよかった」と、プロのサービスも満点の夢の競演。「すごくいい経験ができました!」と、久世さんの声も弾んだ。
ワンオンに成功したジュニア5人中、最も近い4メートルにつけた神戸市立鷹取中1年の進藤太雅くんは、挑戦した武藤、ワタナノンド、池田の3プロの中でも堂々の”ニアピン賞”。
「…すげえな!」と褒めてくれた池田とグリーンまで、一緒に歩きながら、緊張した時の心構えを聞いてみた。
「緊張するのはいいこと。俺は、緊張したほうがいいショットが打てる」(池田)。次のジュニアの試合に向けて金言を胸に刻んだ。
賞金王の目の前で、6Iを握りしめて5メートルに乗せた神戸市の私立滝川第二高1年の友好心美さんは「めっちゃメンタル、鍛えられましたよ!」。今平とグリーンまで並んで歩きながら、コースの攻略法などが聞けたといい、「次の試合で生かします!!」と、大喜びだった。
プロとジュニアたちの豪華競演は、いよいよクライマックスへ。
もっともギャラリーを集めた石川の最終組で、みごと奥約8メートルに乗っけた滝川第二高1年の金沢美咲さん(=写真最上段)。
「今のショットがあれば大丈夫」と、太鼓判を押してくれた石川。
あまりの緊張に、震える手で握手を交わして「石川プロは優しくて、すごくかっこよかったです」。
今週、女子のツアーで”シブコさん”のバッグを担いでいる湯浅芹(ゆあさせり)さんは、金沢さんと同じクラスの同級生だそうだ。
男女ツアーで”クラスメイト”が大活躍!
週明けの教室から、にぎやかな笑い声が今にも聞こえてきそうだ。