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日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2011
丸山大輔は「一番心配していたトーナメントだったので」
千葉県・浦安市在住は自らも被災体験をした。液状化で周辺は泥まみれ。断水は1週間続いた。地盤沈下で1メートル以上もマンホールが飛び出した道をポリタンクを抱えてさまよい歩き、水が出る施設を探して歩いた。
それだけに、今大会の地元・茨城の様子が気がかりだった。年間25試合の中で、「一番心配していたトーナメント」が、このツアープレーヤーNO.1決定戦だった。
震災直後にたまたま知人が持っていた、開催コースのここ宍戸カントリークラブが被災した映像を見せてもらった。目の当たりにしたからこそ、なおさら「地割れとかすごい状況の中で、よくここまで立て直してくださった」。
例年とまったく変わらぬ手強いセッティングで選手を迎えて下さった。コースのみなさんの並々ならぬ尽力を感じて、感謝しないではいられなかった。
「あと、地元のボランティアの方々も」。
4日間延べ886人もの方々が、大会に協力してくださった。
「本当に、大変な中で参加してくださった。ありがたかった」と、せめてプレーでその労をねぎらいたかった。
「残念でしたね」の言葉にも、思いがこもる。
一度はパクに4打差もつけられながら、身上の粘りのゴルフでついに1打差まで迫り、決着を最終ホールまで引っ張った。
18番は、5メートルのバーディパットが決まっていれば・・・・・・。
「チャンスを決めきれなかったですし、作れなかったですね。今日は4アンダーを目標にしていたので、それでは優勝にも届かなかったですね」と悔しがったが、それでも「スポーツを通じて粘って、諦めない事を伝えられたのは良かった」と頷いた。
それに、戦いはまだ終わったわけじゃない。
「まだ優勝出来る力があるみたいなんで、3勝目を目指して頑張ります」。これからも、我慢のゴルフで被災地にメッセージを送り続ける。