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〜全英への道〜 ミズノオープン 2004

ネーションワイドツアーと日本ツアーで賞金ランク1位!! 来年の米ツアー参戦にむけ、全英オープンで名刺代わりの活躍を誓ったブレンダン・ジョーンズ

本戦の18番。自身のミスで自らプレーオフにもつれこんでしまった腹立たしさを、キャディのトムさん(=右)が和らげてくれた。
17番で3メートルのバーディパットを沈めて通算14アンダー。頭ひとつ抜け出すと、ジョーンズはもう、自分が優勝するものと、疑わなかった。4月のつるやオープンでツアー通算3勝目をあげてからというもの自信が深まって、ひとたび首位に立てば、もう負ける気がしない。

5月から4戦連続で出場したUSPGAツアーの二部組織『ネーションワイドツアー』のうち3試合で、2位(SASカロリーナクラシック)、4位(ノックスビルオープン)、そして優勝(ラセールバンクオープン)。現在、同ツアーでランクトップにのし上がり、絶好調のままのぞんだ今大会も、4日間でボギーたった2個というファインプレーぶり。

だからジョーンズは、1打差首位で迎えた本戦の18番でも、「ほとんど自分が勝った」と信じていた。そしてだからこそ、最後の最後に演じたまさかの失態に、ジョーンズは自らへの怒りを禁じえなかったのだ。

第3打のアプローチはトップして、グリーン奥のラフ。

ロブウェッジで球を上げて乗せるか、サンドウェッジで転がして乗せるか。迷った末に、あまり自信のないサンドウェッジを握ったのがミスの要因。

結局、最後のチャンスホールで平凡なパーに終わり、同じ組の飯島博明に追いつかれ、プレーオフが決まったときジョーンズは、ギャラリーの歓声に応える余裕もないほど、猛烈に腹を立てていた。

連日の雨に、決勝ラウンドは2日間ともスタート時間が大幅に遅れた。最終日には、途中中断も加わった。ただでさえ過酷な条件に、その上、プレーオフなどにもつれこむなど、楽に勝っておいてもよさそうな展開で自ら苦戦を強いてしまったのだ。

「もう、やっても無駄。またミスをして、自分が負けるに決まってる!!」はき捨てたジョーンズを、なだめたのがキャディのトム・ワトソンだ。

「BJ(ジョーンズの愛称)、まだ勝負は終わっちゃいない。君ならきっと勝てるよ!」。

この言葉に、「そうだった・・・。ゴルフは最後まで何が起きるか分からないスポーツ。僕には、プレーオフの経験も4回ある。あきらめてはいけない」と、我に返ったジョーンズは、再び自信と集中力を取り戻し、プレーオフ2ホールの激闘を制したのだった。

不思議な縁だ。

“ホンモノ”は、全英オープンで、4度のチャンピオン。「世界一有名な名前を持つ相棒」とコンビを組んだ今年、初の全英切符を手に入れたのだ。

ジョーンズはすでに、1月の世界予選(豪州)で出場権を確保していたものの、その資格よりも今大会の優勝者のカテゴリーのほうが優先される。本戦では豪州予選での出場よりも、この『ミズノオープン』チャンピオンのほうが、よりメイン組のスタート時間に組み込まれるなど待遇も上なのだ。

二人三脚で勝ち取った出場権。今年の全米オープンでの初参戦に続くメジャー2戦目には、もちろん、ワトソンも一緒に連れていく。

来年は、ネーションワイドツアーの資格(賞金ランク20位内)で、米ツアーへの本格参戦も、ほぼ決まっている。

「世界最高峰の舞台で、メいっぱい暴れてくるよ!」この優勝で、日本ツアーの賞金ランクでも1位に浮上した陽気なオージーは、ロイヤルトルーンでの活躍をその名刺代わりにするつもりだ。
  • 過酷な戦いを制したジョーンズは、思わず深い息をはき勝負を決めた18番グリーン上ではたまらずに膝に手をやって、疲れきった様子だった。
  • スコットランドのバグパイプ奏者のフランク・ハンター氏と。今大会の表彰式は毎年、ハンター氏が奏でるおごそかな音色を合図に、開会するのがならわしだ。

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