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東建ホームメイトカップ 2021
男子ゴルフが再始動。15日に開幕する「東建ホームメイトカップ」の歴史をちょこっとおさらい
再び男子ゴルフの歴史を紡ぎだす。
初回大会は1993年。舞台は鹿児島県の祁答院(けどういん)ゴルフ倶楽部だった。
通算12アンダーで初代覇者に就いたのは、当時39歳の飯合肇(めしあい・はじめ)。
その年3勝を挙げ、絶対王者の師匠・ジャンボ尾崎に約400万円差でついには賞金王を極めた。
また98年には大会2勝目。コースとの相性の良さを見せつけた弟子の勝利を挟んで、ジャンボが97年と99年大会を制覇。
当時40歳の芹澤信雄が涙の復活優勝を演じたのは2000年大会だった。
現在の開催コースの東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)に舞台を移した2001年は、片山晋呉が優勝。
2002年には谷口徹が開幕戦Vの勢いで、その年賞金王となった。
2003年大会から現在の会場に定着して、のち17人の勝者を輩出した(2006年のみ岐阜県の東建塩河カントリー倶楽部)。
プレーオフによる決着は2005年と2009年、2010年、そして2016年の4回。
うち2009年と2010年大会を制して連覇を達成した小田孔明の偉業が際立つ。
ゴルフ界のアトムこと、重永亜斗夢(しげなが・あとむ)がツアー初優勝を飾ったのは2018年大会。その2年前に、大地震が襲った地元熊本県に朗報を届けた。当時選手会長に就任したばかりの石川遼を1打差で下す好ゲームだった。
好天に恵まれて、バーディ合戦となる年もあれば、藤田寛之が勝った2004年大会のように全体に伸び悩み、Vスコアも通算3アンダーにとどまった年もある。
2005年には季節外れの降雪による競技の中断、短縮もあった。
まだ花冷えの硬いグリーンに、気まぐれな春の嵐が重なれば、ひとたまりもない。
難条件に加えて、その年1年間を占う意味でも大事な一戦。
どれほどのベテランであっても開幕戦のプレッシャーから逃れることはできない。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、昨年大会が中止となり、2年ぶりの開催という緊張も重なり、今年は例年以上にシビれる戦いとなるのは必至だ。
残念ながら、水曜日のプロアマ戦など、期間中の恒例イベントは中止。
感染防止を徹底した一般非公開での開催とはなるが、みな試合ができる喜びで初戦への不安をくるみながら、開幕の時に備える。