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ブリヂストンオープン 2008
矢野東が首位を死守
途中のスコアボードを指さして、横尾要が言った。
「東、見てみろよ。みんな日大。まるで学生時代の合宿みたいだ」。
同じ組の丸山茂樹と横尾もそうだし、怒濤の追い上げを見せている片山晋呉も宮本勝昌も、野上貴夫もみんなOB。
横尾はその全員と年齢がかぶっているが、ひと世代下の矢野はその中でも最年少だ。
偉大な先輩たちの猛追。
「しかも、アウェイ」と苦笑した。
今大会主催のブリヂストン契約プロがひしめいている。ホストプレーヤーの包囲網にも、すんでのところでのみ込まれずに済んだ。
最終18番は、10メートルのバーディパット。
最初フックと読んだラインは、途中でふいに左に進路を変えた。
最後はスライスしてカップイン。
読み間違えたパットが入って「ブリヂストンのみなさんスミマセン!」と、謝った。
その一方で、2位の片山と2打差の首位は「最終日にむけて、間違いなくアドバンテージ」と力強く言い切った。
もちろん、油断はできない。
最終日もやはり、息もつけないバーディ合戦になるだろう。
「自分も伸さないと絶対に勝てない」。
そう覚悟を決めつつ、改めて実感している。
この日最後のバーディは「必ず明日に生きる」と踏んでいる。
最終日も先輩勢とホストプロらのプレッシャーは必至だが、群馬県出身。
「僕は関東生まれだから。たくさんの人の応援を追い風に、明日もここに“ただいま”と言って帰ってきたい」。
そう言って、初日から3日連続の記者会見場を立った。
※リーダーのちょっといい話・・・
最終日こそ、地元ファンの大声援を求めた矢野。この日3日目は7番ティで、可愛らしい応援団に遭遇した。石川遼の妹の葉子ちゃんと、航くん。タタタっと駆けてきて「頑張ってください!」。可愛らしい声で言われて、目尻を下げた。
ちょうど兄が隣り合わせの2番ホールにさしかかるころだったようだが、「いつも、見かけるとわざわざ寄ってきて応援してくれるんです。きっと2人は僕のファン。明日も来てくれると勝てるかも・・・!」。矢野の今季2勝目は、石川弟妹の声援次第?!