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ジャパンゴルフツアー選手会が今年も東北3県に福祉車両を寄贈

藍さんが、今季限りの引退を表明してから最初の大会となる国内女子ツアーの「サントリーレディス」が兵庫県の六甲国際GCで開幕した。この日、選手会長は、藍さんと暮らした日々も加えて7年あまりを過ごした第二の故郷で、妹のプレー姿に思いを馳せた。

宮里優作が、今年は2日をかけて東北3県を回った。ジャパンゴルフツアー選手会が前年度の賞金総額の一部を拠出して、岩手と宮城、福島に約3000万円もの寄贈を始めて6年目。その2年目からは被災地でも「何かお役にたてるものを」と、不便な道でも小回りのきく軽自動車を、寄贈するようになって4回目。

「寄贈させていただくからには、自分たちの手でしっかりと届けたい」と、初年度の2015年は選手会を代表して“先代”の池田勇太が、駆け足で3県を回った。
その翌年から引き継いだ宮里優作には、これで3年連続3度目の寄贈式。
選手会長に就任したばかりの昨年は、1日で一気に3県を回って、関係各位のご苦労がしのばれた。
各3県それぞれ10台ずつ。各10の市町村のお名前と、ジャパンゴルフツアーのロゴがあしらわれた車両を各贈呈会場に運んで下さるスズキ自販宮城のみなさんは、新幹線で移動してくる宮里よりも前に無事、各県に送り届けられるかどうかといつもヒヤヒヤ。

どこかで大渋滞でも起きていようものならもう目も当てられない。それでも車両のない贈呈式などあってはならないと、いつも苦心してくださった。
「でも今年は少しゆとりがあって、良かった」。
前日7日のうちに岩手県社会福祉協議会での寄贈を済ませた選手会長は、その日の夜のうちに仙台に移動。
この8日は午前中にスズキ自販本社で、宮城県社会福祉協議会のみなさんと一堂に会し、午後から福島県社会福祉協議会での寄贈式で締めくくった。

今年はどこに行っても真っ先にあがる話題は、やっぱり引退を決意した妹のこと。そしてやっと(?!)その次が、今年は2試合連続の地元Vを達成した自身の好調なゴルフに関して。

全福祉車両のダッシュボードへのサイン会はもはやお決まりのこととして、今年はなんと、車両のボンネットにサインをおねだりされた市町村の方もいて、目下賞金1位の選手会長の、今年のさらなる活躍を願う皆さんの強い思いが伺えた。
「こんなところにサインするのは初めて」と、せめて車の隅っこのほうにペンを走らせ、おっかなびっくり。屈託のない笑顔が年々、増えてきたと感じられるこの恒例の寄贈式も、福祉協議会のみなさんのご心労は終わることがない。

被災地では6年経った今も、1万人以上のみなさんが仮設住宅で不自由な生活を強いられていると聞いて宮里も「震災復興支援は、これからも選手会のスローガンとして、継続していきたい。微力かもしれないが、東北の為に長く続けて行きたい」と、改めて誓った。
毎年、歓待を受けて、「あそこまで喜んでいただけると今後も続けたい、また現地に来たいと僕のほうが嬉しくなる」と、今年も選手会を代表して東北3県のみなさんの思いを全身で受け止めた。

今年もまた、昨年と同様のスケジュールで世界に挑戦できることも嬉しい。
先月の最終予選で、2年連続の出場権を手にした全米オープンを次週に控えて思い出す。「去年も全米オープンの前に、東北3県を訪れ皆さんから力をいただき良い結果につながった」。
昨年の初挑戦は、23位という成績をおさめることが出来た。
「これからも、国内外問わず良いプレーをお見せしたい」と、昨年以上の健闘を胸に期して旅立てる。選手会長として、兄として、そして何よりいち選手としての自覚がいっそう深まった、オープンウィークの1日となった。
  • 今年はまず7日に岩手
  • 8日の朝に宮城
  • そして午後から福島へ。選手会みんなの思いを東北3県に届けに行った選手会長
  • ボ、ボンネットにサイン…?! い、いいんですか、本当に?!

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