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RIZAP KBCオーガスタ 2016

手嶋多一が10年ぶりの大会2勝目を狙う

近頃、ベテラン勢の間で羨望を集めているのが、手嶋である。5年シードの日本プロを制したのは、2014年。45歳でのプロ日本一のタイトルは、年々シード入りさえ厳しくなる年頃の選手たちを、羨ましがらせた。「複数年シードが切れると同時に、シニアデビューが出来る」。

それまでの職場も確保されているも同然で、本人も「何が嬉しいって、それが一番嬉しい」と、喜びを隠さなかったものである。

とはいっても本人は、さらさらそこに頼りきるつもりがないのは言うまでもなく、翌年2015年は今度はミズノオープンで、大会は実に29年ぶりのホストVをやってのけ、今週はここ福岡で、自身2度目の地元Vを視野に、好発進した。

「パットが今年一入った」という。ここ芥屋は、ツアーは唯一の高麗グリーンで、ここ数年は真夏の高麗グリーンとは思えないほど、
硬さも速さも申し分ない仕上がりとは言うものの、強気にヒットしていく選手には、うってつけの舞台。
「いつも毎年この大会は、知り合いや身内がたくさん来てくれて頑張れます」と悲願を達成したのは、ちょうど10年前。

スポンサーや地元ファンの恩恵を受けるプロたちにとって、主催者のトーナメントや地元開催の大会では、結果を残したいと思うあま
りに、余分な力が入って、それでかえってなかなか成績に恵まれないというのが少なからずある。

手嶋も2006年大会を制するまでに、10年かかった。さらにその10年前の1996年に優勝目前までいきながら、ジャンボ尾崎にプレーオフで敗れてから、10年かけてやっと栄冠を掴んだ。

何の巡り合わせか、今年はあれから再びちょうど10年目。
「今年は前半戦は調子が悪かったので、ここ芥屋で後半戦の良いスタートを切りたいと思います」。
いつものように言葉は控えめに、さらなる上昇を誓った。

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