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池田勇太の「全英への道」

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5月31日に、大会最終日を迎えるはずだった「ミズノオープン」のサブタイトルは「全英への道」。全英オープンの日本予選を兼ねた一戦は、残念ながら中止となりましたが大会ゆかりの選手たちと共に、せめて気持ちだけでも聖地に向かうシリーズは、昨年覇者でいよいよ最終回。秘蔵写真満載で、濃密な思い出を一気に振り返ります。

昨年の「ミズノオープン」で、ツアー通算21勝目を飾って5年連続8度目の”聖地”を踏んだ池田勇太。4つある世界メジャーの中でも「私にとっての初メジャーであり、一番、出場回数が多いのも全英オープンです」。
どれもが池田のゴルフ人生を映す鏡のようだ。

初出場は、プロデビュー2年目の09年。その年の「日本プロ」でプロ初Vを飾って権利を得た初の聖地はターンベリーだった。
開催地の中でも景観の美しさは群を抜き、「白い灯台が印象に残っています。このコースには、試合でなくともいつかまた来たいな、と思いましたね」。
予選突破はならなかったが当時23歳の初々しさで、最終日も観戦。
当時59歳のトム・ワトソンが優勝を争った。
「ワトソン選手が勝つところを見たくて、プレーオフにもついて歩いた」。計4ホールの激闘でワトソンは早々に力尽き、観戦も途中で離脱したが、メジャーの最年長Vにあと一歩と迫ったレジェンドの死闘が池田の胸にも刻まれた。

その後、3年連続で出場。
2度目の2010年は5年に一度の開催コース「セントアンドリュース」に感動。
11年は、その1週間前に世界ランキングによる繰り上げ出場が決まった。急ごしらえの旅路に出発を逡巡したりもしたが、いざ迎えた予選ラウンドで、同組のダスティン・ジョンソンの豪打にひそかに驚愕しながらもマイペースを貫き、日本勢として、ただ一人の予選突破。
自身初の決勝進出で、38位の結果に手応えも感じた。

その翌年から3年の”ブランク”を経て、再びセントアンドリュースで迎えた15年は、前年の日本オープンを制して資格を獲得。
また選手会長に就任して2年目のこの年は、「日本とスコットランドの架け橋に」と、親善大使の任を受けた。
渡英前にはイギリス大使館を表敬訪問。
「気を引き締めて現地に向かったものでした」と、そのときイギリス政府から贈られたタータンチェックのジャケットは、今も大切にタンスに保管している。

16年のトゥルーンでは、幼なじみらと思ってもない”揃い踏み”を果たした。
日本予選ランキングの1、2位で共に遠征した塚田陽亮と共に、現地で落ち合ったテレビ朝日の山岸慎太郎さんは、ジュニア時代から競った同期の3人組。
「あんなところで集合するとは」と、いま思い出してもつい笑いがこみあげてくる。

前年に、自身初の賞金王に就いて臨んだ17年。
さらに18年は、自身2度目の「日本オープン」制覇の資格で挑戦し、自身3度目の予選突破を果たしたものの、思えば「全英オープンは8回も出て3度しか通っていない…」。
昨19年は、再び予選落ちを喫して「メジャーの中で、一番出ているのに結果を残せていないのが全英オープンです」。
昨年のロイヤルポートラッシュGCには、忸怩たる思いも残してきた。

試合ができない週末に、8度の挑戦を振り返ってつくづくと思うことは「リンクスコースは何回出ても、思いもよらない天候の変化や、想像もつかないコース条件に遭い、いまだ慣れない。技術が足りない部分と、いつ行っても苦しい部分。ぜひ、晴らしたい」
今年は、次年度への延期が決まったが、聖地への思いは止めない。
「ゴルフ人生を駆けて、必ず攻略したいと思います」。
また必ず格闘しに行く。
昨年の「ミズノオープン」覇者は、来年こそ”連覇”で再び「全英への道」を歩いていこうと決めている。

「この危機を乗り越え、皆様と、また会場でお会いできる日が、一日も早く訪れることを、心より願っています」(ミズノオープン覇者・池田勇太より)

特別番組のお知らせ
「ミズノオープン」の読売テレビ・特別番組が31日、日本テレビ系列で午後1時30分〜2時55分に放映されます。
昨年覇者の池田勇太ほか、ミズノ契約選手で15年覇者の手嶋多一や、小鯛竜也、選手会長の時松隆光ほか石川遼、一昨年覇者の秋吉翔太、谷原秀人や星野陸也らが、おうち時間を紹介したり、みどころ満載です。お楽しみに…!!
<昨年のハイライト写真集>

<昨年のハイライト映像集>
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  • 16年、幼なじみ揃い踏み
  • 18年は今や選手会長の時松(左)と秋吉(右)と
  • 宮里美香さんが駆け付けてくれた18年は、応援の甲斐あって予選突破できましたが翌年の去年は…

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