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中日クラウンズ 2019
腰痛からの回復を目指す石川遼は11オーバー…
石川遼が11オーバーの81を叩いた。
先々週の国内開幕戦を欠場した腰痛からの回復を、アピールするはずだった。
「朝は大丈夫でした。安心、安堵の気持ちでティーオフした」。
大会は、今年記念の60回。石川らのスタート直前には、JGTO会長の青木功による名誉スターターの記念セレモニーもあり盛り上がった。
その余韻のまま1番でさっそくバーディ。令和最初のホールで上々の滑り出しも2番からは、連続ボギー。ティショットを大きく左に曲げた5番ではダブルボギーが出て雲行きは、たちまち怪しく。
「昨日までと違って緊張感もあり、多くの方に見に来てもらい、多少アドレナリンが出たと思う」。
挽回にかかった8番で異変が起きた。
3番ウッドのティショットで、フック球を打とうとした時だった。
「いいショットだったのですが、フォローの時に腰が抜けた感じがした」。
瞬間、苦悶の表情になった。
「一瞬フィニッシュの位置から一歩も踏み出せなかった」。
しばらくその場で固まった。
持っていたクラブを支えに、どうにか動作を始めたが「フォロースルーからフィニッシュの間で痛かった。そこから足が動かなくなった」と、ティーグラウンドの斜面もこわごわ降りた。
そこからは、歩く姿もあきらかに、腰痛の再発を想像させるものだった。
「痛くないように歩こうとするのが不自然に見えたのだと。かばって自然と変な動きになっていたと思う」。
そこからは、ほとんどのホールでティショットを負担の少ないアイアンで打つなど工夫をしても、歩行もやっとという状態ではゴルフにもならない。
11番のパー4ではバンカーからの脱出に、4打もかかって″ダブルパー″の「8」を叩いた。
「あそこは砂で、下がすごく緩くてソールもできない。体勢的にはショットの中で、一番怖い」といくらバンカー巧者でも、まともな状態で打てないのではお手上げだ。
せっかくジャンボと同組も、そのあたりからは最下位争いの様相を呈した。
「ちょっと自分では、どうしたらいいかわからなかった」。
さらに14番からの3連続ボギーに目も当てられなかった。
その様子に「まだ完治していないのは間違いない」と、ジャンボ。
「早く、良くなってもらわないと困るわな」と、気遣った。
″令和最初″の初日は散々な1日となってしまった。
「明日までに、良くなれば」。
国内2戦目での選手会長の、今季国内初戦を待ちわびてくれた大勢の人たち。
せめて、ホールアウト後は子どもたちへのサインのプレゼントをスタッフに託して明朝までに全力で、治療につとめる。