記事
アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ 2021
「どうやったら松山さんに追いつける?」 比嘉一貴の挑戦
プロ4年目の比嘉一貴(ひが・かずき)が2日目の「69」で、今平と、星野と並んで3位タイ浮上。
林で区切られた難コースで、ティショットが冴えた。
「フェアウェイに行くことが多くて、ショートアイアンの距離感もよかった」。
前半6番から3連続バーディなど、チャンスを生かした。
近頃は、右も左も東北福祉大の出身者ばかりの現状で、比嘉もまた、先輩の松山英樹に特にかわいがられた一人だ。
4年時の17年、翌年のツアー出場権をかけたQTサードで失敗した際に、アジアでの武者修行を勧めてくれたのも松山だった。
プロ転向の18年には、同二部ツアーの参戦初戦で初優勝。帰って6月、旧チャレンジのAbemaTVツアー「南秋田CCみちのくチャレンジ」で、国内プロ初V。
そして、19年には「RIZAP KBCオーガスタ」でツアー初V。
ここまでは、順調にキャリアを重ねており松山にも、「早くアメリカに来いよ」と言われるが、マスターズで快挙が達成されると、「松山さんに、追いつこうなんていうのもおこがましい」。
やすやすと、口にできない気がしはじめた。
「大学でもお世話になって、良く面倒みていただいて、自分も早く同じところで戦いたい。でもどうやったら追いつけるのか。自分なんか、まだ見たこともない世界。凄すぎて…」。
偉業の瞬間を思うたび、むしろ足がすくみそう。
「松山さんができたから、自分もできると思えるようなレベルじゃない。自分は、まずそこに立つこと。同じフィールドに立つことを目標に、しぶとく上を目指してプレーします」。
今週、勝てば「全英オープン(7月15ー18日、ロイヤルセントジョージズ)」の権利も発生する。
「残り9ホールでまずは優勝争いに残っていたいと思います」。
一歩ずつ、着実に近づく。