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僕らのツアー選手権 / 海外勢の選手権「J・B・パクの選手権」
第5回の04年を制したS・K・ホを筆頭に、「ツアー選手権」を制した海外勢は4人いる。
11年のJ・B・パク(韓国)、15年の梁津萬(リャンウェンチョン、中国)、17年のショーン・ノリス(南ア)の3人は、いずれも「選手権」が日本での初優勝だった。
そして、JBにとってはまさに人生の初勝利。
母国ツアーでもまだ、勝ち星がなかったシード1年目の29歳(当時)が、難攻不落の宍戸を制した。
同年は、東日本大震災が起きた年。大きな爪痕は、韓国でも報道されない日はなく、出場をとりやめる海外勢も少なくない中、JBはむしろ、「頑張って日本に立ち直ってもらいたい。そのために、出来ることは何でもしたい」と、すすんで来日。
開催地の地元茨城県も、被災したにもかかわらず、会場には人々の明るい声が響き、逆に出場選手たちを励ましてくれた。
笠間市の人々の優しさに触れて、表彰式では慣れない日本語を駆使して「僕らのほうこそ心からお礼を言いたい」と、述べてファンを喜ばせたが、ここ2年は結果にも恵まれず、日本ツアーもご無沙汰だ。
「こうして日本のゴルフファンのみなさんに、久しぶりにご挨拶ができて、とても嬉しく思います」と、JB。
「私は優勝してからもう9年が過ぎましたが初めて『ツアー選手権』に出場したときは、素晴らしい練習環境と、コースセッティングに驚いたことを覚えています」。
5年シードの日本タイトル戦でつかんだ自身の初勝利を糧に、その後、海外メジャーにも挑戦。
「これをきっかけに、自信を持って頑張ることができた」と、38歳を迎えた今、懐かしさでいっぱいだ。
そんなJ・B・パクにとって「ツアー選手権」とは……?
「ゴルフ人生のターニングポイントになった試合です」。
17年大会以来、出場は途絶えているが「もう一度、日本ツアーで活動できる日を心待ちにしています」と、JB。
「今は新型コロナウィルス感染症の影響で、試合が中止になるなど大変な時期だと思いますが、力を合わせて乗り越えられると信じています。みんなで頑張りましょう! 心から応援しています」(J・B・パク)