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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2013

藤田寛之は4連覇の偉業を前に「乗り越えなければいけない壁」【インタビュー動画】

今年50回の記念大会で勝てば1978年、九州オープンの鈴木規夫と1984年は中四国オープンで倉本昌弘が記録した5連覇に迫る記録も、現存のレギュラーツアーなら史上初。ディフェンディングチャンピオンには4連覇の偉業がかかるが当然のことながら、もともとの性格も加えて今年は強気になれない。

「もちろん、最高到達点はそこになるのですが、自分の今年の戦いを思えば、そこにたどり着くにはきつい道がある」。
08年から毎年、重ねてきた勝ち星も、今年は未勝利のまま迎えたこの、今季最強選手の決定戦だ。
まして、今年の東京よみうりカントリークラブはグリーンの状態が例年以上にタフで、得意のはずのコースも「イメージが良いはずなのに、うまい具合に打てなかったり元々アンジュレーションもきついし、止めたくても止められない。つけたいところは限られてきますね」と、練習ラウンドから早くも弱音を吐いた。

頼りのパットも「ショットでまた悪いクセが出て、クラブが寝て入ってくる。コントロールが効かない」と、スイングの試行錯誤にかかりきり。得意分野も最近はすっかりおろそかになり、「パットもいつも以上に荒れている」と、八方ふさがりのままツアー最終戦を迎えた。

応急処置として、今週はアイアンをマッスルバックからキャビティに変えた。「調子が良いときは、針の穴を通すようなショットが打てるのに、いまはそこまで繊細じゃないので」。ツアーきっての業師も背に腹はかえられずに当面、易しい道具に持ち替えざるを得ない状況に、「歯がゆい。悔しい」。
このままでは終われない。44歳は今が試練と受け止めて、「ここで何かを見つけてまたステップアップ出来るのか。このままダメになっていくのか。今は試されているとき。乗り越えなければいけない壁」と忸怩たる2013年の最後に偉業達成で、1年間の鬱憤を一気に晴らす。


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