記事
ゴルフ日本シリーズJTカップ 2004
深堀圭一郎が通算6アンダー、3位タイ浮上
願いがかなって、無事パーでホールアウトできたとき、「ありがとうございます」と心の中で頭を下げて、グリーンを下りた。
深堀にとって、東京よみうりの9番パー4は、鬼門のホールだ。過去に苦い思いを重ねてきた。
2位と3打差の単独首位で迎えた2001年大会。最終日には一時、4打差をつけながら、9番ホールでダブルボギーを打って、4位に沈んだ。
97年大会は大親友の丸山茂樹らと並んで首位タイスタート。しかし9番でのボギーをきっかけにスコアを崩し、5位に終わった。
448ヤードと距離があり、グリーンに複雑な傾斜のある難易度の高いこのホールに来るとどうしても、苦手意識が先に来てしまい、集中できなくなる。
毎回、痛い思いをして勉強はできているはず。それなのに、今週初日もダブルボギーを打っている。
それだけに、なんとかこのホールをパーで上がれたこの日は、「“ありがとうね、これからも仲良くしようね”と9番ホールに語りかけておきました」と苦笑した。
夏以降に腰を痛めたこともあり、今年、未勝利だ。今季これまで28戦中14勝と、外国人プレーヤーの活躍が目立つ中、それに対抗できなかった自分が悔しい。
しかも、ここに来て賞金レースを争う片山、谷口が揃って低迷している。もし、賞金ランク4位につける韓国のY・E・ヤンがこの大会で優勝すれば、賞金王もまた、他の国の選手に譲ることになる(ただし、現在ランク1位の片山が23位以下に終わった場合)。
「…それは、なんとか阻止したい。ファンのみなさんの期待に、応えたいんです」。
3番のチップインバーディを含む、ボギーなしの65でまわって通算6アンダーは首位と2打差の3位タイ。
もし悲願の大会初優勝をあげれば、9番ホールに棲む魔物にも、打ち克てる。