記事
ジンバブエ代表のビンセント「頑張れば夢が叶うと伝えたい」(東京2020)7月28日
スコット・ビンセントは五輪ゴルフ史上初のジンバブエ代表として、霞ヶ関に立つ。
米国のバージニア工科大学を出ており、2010年と2012年の「世界アマ」と、2015年のプロ転向後は翌年の「ワールドカップ」で、代表経験がある。
アフリカやカナダ、アジアの各国ツアーを渡り歩いて、19年から日本を主軸に。レギュラーツアーの初優勝はまだないが、トップ10入り6回と、たびたびV争いに加わってきた。
「オリンピックの出場権を獲得できたのも、ジャパンゴルフツアーでプレーができたおかげ。とても感謝しています」と、ビンセントは話す。
それだけに「東京大会に出場できることを、とても光栄に思います。日本のゴルフコースの環境は素晴らしく、そこでメダルを争えることには特別な思いがある」と、いう。
今回、母国代表として出るのはビンセント一人にとどまった。
しかし、コースでは一人ではない。
最愛のケルシー夫人がキャディをつとめる。
4年前の結婚当初から担いでくれてきた。
元サッカー少女のケルシーさんだけに、脚力が自慢でプロ仕様の重いキャディバッグもへっちゃら!
「2人で一瞬一瞬を楽しみたい。毎日2人のベストを尽くすことに集中したい」と、夢の舞台でも夫婦二人三脚で栄光を追う。
母国の声援は、遠く東京まで聞こえてくる。
「たくさんの人たちが故郷で私の幸運を祈り、応援してくれています。特に母国の若いアスリートたちに刺激を与えられることを嬉しく思っています」と、ビンセント。
「頑張って物事に取り組めば、夢を叶えることができるということを知ってもらいたい」。
証明してみせるためにも、夫婦で力を合わせてメダルを勝ち取りたい。
そのほか、日本ツアーで9年目のジュビック・パグンサンは、フィリピン代表として出場。
練習日には、母国の女子代表の笹生優花さんとラウンドを重ねていたそうだ。
今年6月の「ミズノオープン」で、ルール上14本携行できるところを、セルフバッグの軽量化をねらってわずか11本でプレー。ツアー初優勝をさらって話題になったが、今回はもちろん、キャディさんを連れてきた。
夢の舞台に伴う相棒は、アルテミオ・ムラカミさん。日系二世のフィリピン人で、5つ年下の友人は、かつて日本ツアーで戦っていた経験もあり、心強い味方。
また、一昨年の日本ツアー賞金ランキングで7位につけたジャズ・ジェーンワタナノンドはタイ代表として登場。やはり日本ツアーで戦うガン・チャルングンと共に、メダルを狙う。
間もなく開ける東京五輪では、日本ツアーと縁が深い海外勢もそれぞれの国旗を背負い戦いに挑む。
東京2020・男子ゴルフ初日の組み合わせ