土壇場で開き直った。
プロ15年目の木下裕太は、シード権の確保がかかる。
土曜日の18番パー5(525ヤード)。
「刻んでも曲がりそう。これでもか、っていうくらい。ドライバーを振った」と第1打を、残り167ヤードの左のラフまで運んだ。
ボールは傾斜地にあったが、2打目を上手くグリーン左のカラーまで持っていき、寄せて1パットバーディ。
通算3アンダーで上がってみれば、首位と3差の4位タイだ。
「久しぶりによいゴルフができた」と、笑顔を見せた。
未シードで迎えた18年の「マイナビABCチャンピオンシップ」で、川村昌弘とのプレーオフを劇的イーグルで制して、初優勝と初シードをいっぺんに手にしたが、その際の出場権も今シーズンが最終年。
現在、1100万円ほどで賞金ランキング63位は、来季の出場権にはまだ足りない。
「ここ最近、早くシードを決めたくて、焦ってゴルフが乱暴になってた時期が多々あった」と述懐する。
「今週は、ダメならダメでQTか、と。いい意味で腹をくくってショットが良くなった」と、3日目に上昇。
「コースが難しいので。バーディよりパーを獲りに行ったら、このスコア」と、7バーディ1ボギーの「66」で回って、今度はツアー2勝目でのシード確保がにらめる位置まで持ってきた。
「焦ったところでダメになるのはわかっているのに焦っちゃう。明日は焦らず。10位以内を目指して頑張ります」。
謙虚に挑む。