やっぱり、故郷はいい!!
涙を拭きながら、笑顔につとめた。
プロ14年目のホストプロが、開幕前日から全力でホスト試合を盛り上げた。
2年ぶりに有観客で復活した大会は、節目の40回大会。
「去年はコロナで中止となりましたので。2年分の思いをぶつけて、2年分盛り上げられるように頑張りたいと思います」と、力をこめた。
地元出身の片岡大育(かたおか・だいすけ)は、開催コースのKochi黒潮カントリークラブ所属プロ。
でも、「コロナでなかなか帰ってこられず、今回も半年ぶりです」と、久々の帰郷に、プロアマ戦からおもてなしに気合いが入った。
感染防止対策もあって、盛大な表彰パーティは見送られたが、各チームでこじんまりと行われた懇親会ではクリアボード越しに、どの組よりも長くゲストと話し込み、花を咲かせた。
片岡が、顔面神経麻痺の症状を発症したのは昨年の11月。
ストレスなどが影響と考えられる。
瞬きや、口が上手く開けられなかったり、ボールが2、3個に見えて入院したピーク時よりは多少は改善されたが今も涙が止まらず、ポケットのハンカチタオルが欠かせない。
それでも、「やっぱりここに帰ってくると、リラックスできます。ホストプロのプレッシャーは以前と同様にありますが、それもいい集中力に変えられそうです」と、つとめて明るく言った。
療養中も、お世話になっているコース母体の「黒潮観光開発」の方々への月に一度の病状報告は欠かさず、「とても心配してくださって…。こちらのことは気にしないでいいよと温かく見守ってくださった」と、感謝する。
賞金ランキング131位で迎えた今季の7戦目は、主催者推薦で出場。
先週、帰郷してすぐ各所に挨拶回りに行ったが「お伝えしきれていない方もおられます」と気遣い、「結果で返すことが、一番の恩返し」と、意気込む。
予選ラウンド2日間は賞金1位の飛ばし屋、チャン・キムとの組み合わせに「僕も以前より飛ぶようにはなりましたが、それでも彼の50ヤードくらい後ろから、ショットの精度をお見せできれば」と、負けられない。
次週に来季の出場権を争うQTサードを控えるが、賞金シード争いの最終戦に当たる今大会で単独3位以上なら、地元で一発大逆転の賞金シード復活もありえる。
「そこも視野に、引き締まったプレーがしたい」。
ホストコースで4年ぶりのツアー通算4勝目を目指すのも、もちろんだ。