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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ ダイヤモンドカップゴルフ 2022
先輩プロもひれ伏した。石坂友宏と大洗の関係
開幕前から、若者たちの“大洗(おおあらい)談義”が止まらない。
2019年に行われた国体の開催コースがここだった。
北海道代表で出ていた片岡尚之(かたおか・なおゆき)は団体優勝を飾ったが、「個人戦ではいくつ打ったか分からない。それくらいにひどかった」と、述懐する。
実際は、74と71で、2日間通算1オーバーの18位タイと、記憶ほどにはひどくはないと思うが、なんせ「67」「67」の通算10アンダーで、2位と4差のぶっちぎり勝利を果たしたのがいま目の前にいる、2つ下の石坂友宏(いしざか・ともひろ)。
改めて後輩に再敬礼し、「大洗で10アンダーて…凄いです。尊敬します。教えてください」と、あれから3年経っても強者の記憶は鮮明だった。

ここ大洗ゴルフ倶楽部は2013年の今大会で、松山英樹が中嶋常幸を制した伝説の舞台でもある。
「3年前の国体でもその話しで持ちきりでした。プロの試合とパーも、コースセッティングも全然、違いますけどそれでも難しいコースで優勝できた。自信がついた」とその直後に石坂は、大学に在籍したままプロ転向を果たした。
石坂には節目の試合でもある。
今春、卒業した日本ウェルネススポーツ大学がここ茨城県にあり、神奈川県出身の石坂には「第二の故郷」の気持ちも強い。
思い出の舞台で3年ぶりの“凱旋”出場。
「プロとしてここに戻ってこられるとは思っていなかったので。ほんとうにすごく感慨深い」と、噛みしめる。
プロ初年度の20―21シーズンは金谷拓実(かなや・たくみ)にプレーオフで破れた「ダンロップフェニックス」など2位2回。トップ10は計8回。
もっとも初優勝が待たれる若手の一人として大洗に戻った。
「このコースは曲げないのが一番だけど、でも曲がると思う。曲げた時にいかにパーが獲れるか。1ホール1ホール油断できないですし、1ホール1ホールにドラマがある。ほんと難しいので1ショット1ショット諦めず、耐えて優勝争いしたい」と、伝説の大洗で新たなドラマ作りに励む。