プロ10年目の大堀裕次郎(おおほり・ゆうじろう)が、6バーディ、1ボギーの「65」。5アンダーの単独2位につけた。
この日初日は晴天に恵まれたが、富士山から吹き下ろしてくる風は強く、朝の練習場から耐える覚悟をしていたが、インスタートの13番で外からパターを使った13メートルの“バーディパット”が決まった。
さらに14、15番では4メートルのチャンスを逃さず、3連続を記録。
一気に貯金を作って「気楽に回れた」と、チャンスを重ねていけたという。
先月、シーズン最終戦を迎えたABEMAツアー「ディライトワークスJGTOファイナル」で今季の同ツアー2勝目を飾り、逆転の“賞金王”についた。 ABEMAツアー賞金ランキング
来季のシーズン切符を勝ち取り、右足首のねんざによる陥落から数えて3季ぶりのシード復活を果たして、気持ち的にまずはひと段落。
今年から、連戦中にあえて筋トレをスケジュールに組み込んだきっかけはブルックス・ケプカだ。
「筋肉痛でプレーをしたら、力が抜けてちょうどいい」と言っていたらしいと聞いて、思い切って取り入れた途端にキング獲りに成功。
次週の「ダンロップフェニックス」と次々週の「カシオワールドオープン」は、すでに主催者推薦をいただいており、今週はそれに備えて「久々にしっかりトレーニングを」と、計画をたてていたところに、また推薦のお話が飛び込んだのは先週1日の火曜日だ。
きゅうきょ予定を返上して会場入りした。
契約クラブメーカーのダンロップによると、今大会主催の三井住友カードの佐々木丈也・常務執行役員の取り計らいだそうで「改めて佐々木さんに感謝したい」と、思いをこめて好スタートが切れた。
“ABEMA賞金王”のスピーチで、「ここにいるみなさんは、レギュラーツアーに行っても十分通用する選手ばかりです。自信を持って、シード選手に取って替わるくらいの活躍をしていきましょう」などと話した。
それに感動した同賞金ランク3位の嘉数光倫(かかず・てるみち)がその後、レギュラーわずか出場2戦で賞金シードに復活。
「凄いポジティブやな…」と、感心しきりで苦笑をしたが、大堀だってここから飛び込む大チャンスだ。
「ノンプレッシャーの中で、今までやってきたことが、レギュラーツアーでどこまで通用するか、という気持ちでやっています」。
賞金レースや賞金シードが激化する中、“ABEMA賞金王”の無欲も十分武器になる。