昨季の賞金王はその直前に、衝撃の置き土産を残して発った。
それは、奇しくも比嘉一貴の今季賞金王が決定した大会。
戴冠を引き継ぐかわりに通算8勝目を飾った11月の「カシオワールドオープン」で、史上最多アンダーを4つも更新する「32」を記録した。
「非現実的な数字でしたね」とは張本人の弁。
チャン・キムは、「自分でもありえないと思いました」と、目を剥きながら「後世まで残る記録を作れたことは凄く嬉しいです」と、大喜びだった。
このとき、大記録の達成と同時に強く意識することになったのが平均パットのランキング。 部門別ランキング一覧
当週終了時に1位に急浮上し、「自分でもそこまで上がった意識はなかったのですが、どうせならこのまま1位で終わりたいという気持ちが強くなりました」と、がぜんその気に。
翌週のシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で4日間通算4位の数字を残して、同部門の初戴冠も実現させた。
ドライビングディスタンス賞を過去3度も受賞した飛ばし屋で、特に2019年の平均315.83ヤードは歴代1位の記録である
「みなさんも、僕イコール飛距離のイメージをお持ちだったと思います。自分でも、まさかパットで賞をいただけるとは思ってもいませんでしたから…」と、今月5日の部門別顕彰「ジャパンゴルフツアー表彰式」で新たな自身の武器を認識していた。
「シーズン途中にパターを変えたことがマッチしてくれたようです。どんな部門でも賞を獲れるというのは嬉しいですし、上手い選手が他にもたくさんいらっしゃる中で獲れたというのは凄く自信になります」と、豪打に小技が揃えば来季の主戦場でも鬼に金棒だ。
11月に行われた米二部「コーンフェリーツアー」の最終予選会で2位につけ、来季前半期の出場権利を確保してある。
今月10日には、母国韓国で結婚。
式後にモルディブで新婚旅行も済ませた。
愛用のウェッジ3本に、それぞれ初デート日と、挙式日と、奥さまの誕生日を刻印する愛妻家。
「自宅のあるアリゾナを拠点に転戦ができるよう、いま彼女と準備中です」と、嬉しそうに話していた。
「アメリカで早いうちに成績を収めることができれば秋にまた、日本ツアーに戻ってきます」と約束した。
次の来日では最愛の奥さまをお披露目してくれるかも?