昨季ABEMAツアー賞金王の大堀裕次郎(おおほり・ゆうじろう)が、昨年の同ツアー最終戦「ディライトワークス JGTO ファイナル(茨城県・取手国際GC)」の優勝副賞でいただいた「つくばみらいのお米」3俵を、地元・兵庫県西宮市の児童擁護施設2カ所に寄付。
3月9日に、まず同市山口町の善昭学園に、直接お米をお届けし、子どもたちと交流の時間を持つはずだったが、当日になって急に伺えない事情ができてしまった。
「どうしよう・・・?!」と、慌てる末弟のために、代打をつとめてくれたのが大堀4きょうだいのうち、5つ上の兄・耕太郎さんと、3つ上の姉・薫さんだ。
重たい米袋を抱えて幼稚園や学校から帰宅してきた子たちでにぎわう学園の中庭へ。
計100キロを無事運び終えると、弟の代わりに初心者用具のスナッグゴルフで子どもたちと触れあいのひとときを過ごした。
耕太郎さんも、弟と同じ大阪学院大学のゴルフ部出身で、「高校生くらいまでは僕のほうが裕次郎より上手かった」という。
でも、今ではプロゴルファーの弟を応援する側。
大堀が、大学時代にドライバーのイップスに苦しむ姿をそばで見てきた。
また、プロ転向間際の2013年には肋骨骨折でQTキャンセル。
さらにプロ7年目の2019年には足首ねんざで賞金シードを無くすなど、ハラハラさせられ通しの弟だが家族の大きな希望の光。
昨年はABEMAツアー2勝で賞金王に就いた。
3季ぶりにシード復活を果たした今季こそ「安心して見ていたいなと思います」と、苦笑いのお兄さん。
可愛い弟だからこそ、心配は尽きそうにない。
大堀が、このたびの貢献活動のお手本としたのはかねてより「尊敬する先輩プロの一人」と、話す谷口徹の存在という。
「僕にも地元に何か貢献できることはないかと考えたときに、谷口さんが毎年、地元奈良県の児童養護施設を訪問していたことを思い出した」といい、この弟の思いにお姉さんが共感。
市役所にかけあうなど薫さんが弟以上の熱心さで奔走してくれたことで、このたびのお米寄贈が実現した。
大堀は、1年半ほど前から月1ペースで兵庫県神戸市の幼稚園でスナッグゴルフ教室を開いており「逆に子どもたちにパワーをもらえる」と、開眼していただけに、この日の欠席をたいへん残念がっていたそうだが、大堀のデビュー時にはキャディとして弟を支え、いまは練習場経営のかたわら、弟のマネージャーとして手腕を振るう薫さんが、当初から今回の協力を打診していた練習場のお仲間も含めて合計9人がかりで奮闘。
2歳児から18歳まで幅広い年齢層に合わせて、遊び方を工夫するなど興味をわしづかみ。飾らない人柄で、スナッグゴルフの体験会が終わる頃にはすっかり子どもたちの人気者になっていた。
あとから、お姉さんに楽しそうな子どもたちの様子を伝え聞いて大堀も安堵。「今シーズンはみんなに勇気とパワーを届けられるように頑張りたい」と、励みにしていたそうだ。
次週の13日には、寄贈2カ所目となる兵庫県西宮市の児童養護施設「三光塾」にもお米をお届け。
さらに、今月23日には、兵庫県三木市の別所中学校で、ジャパンゴルフツアー選手会の「ゴルフ伝道」に挑戦するなど目白押しだが、いずれの貢献活動にもお姉さんの薫さんが大堀に随行してくださるそうで、次のミッションも大成功まちがいなしだ。