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関西オープンゴルフ選手権競技 2023

熊本地震から7年。益城町出身の永野竜太郎「ただただ、一生懸命やるだけです」

プロ16年目の永野竜太郎(ながの・りゅうたろう)は、7年目のこの日もトップでスタートした。



2016年4月14日の熊本大地震で、震度7を観測した益城町(ましきまち)の出身で、当時はちょうどシーズン開幕戦の大会初日と重なった。

安否を気遣いながら、同郷の重永亜斗夢(しげなが・あとむ)と、偶然にも同組ラウンドで首位に並んで、ちぎれる思いでV争いしたのも7年前。


「この日だから、と感情移入することはもうない」と、言った。

「あの日が消えることはないから。それがあって以降は、常に上に向かって頑張るだけ」。

この日だから特別なのではない。
常に故郷を心に抱いてプレー。


前日初日の後半8番では、58ヤードの2打目を直接入れた。
「一緒に回った3人とも良かったので。みんな寄ったな~と思ってグリーンに行ったら、僕の1個だけボールがなかった」と、イーグルを獲った。


スタート前の練習場から兆しを感じ、「ドライバー持って、フェアウェイ捉えて、グリーン近くまで持って行ければチャンスがある」と、関西ならではのトリッキーなコースでティショットを刻んだのは2ホールだけ。

自慢の飛距離を駆使して攻めていき、16番ではOBダボも打ったが、補ってあまりあるバーディ量産。
「64」の7アンダーで、新人の宇喜多飛翔(うきた・つばさ)と肩を並べた。


今オフ、後輩プロの小鯛竜也(こだい・たつや)が、益城町の児童養護施設にお米を寄贈してくれることになり、永野も寄贈式に臨んだ。

「そうやって、今も仲間が気に懸けてくれることが嬉しい」と、噛みしめる。


「故郷のために頑張る」などと、大それたことは言わない。「今年の目標は初優勝」などと、掲げるタイプでもない。

「目標は・・・決めないんですよね。追っかけても追っかけきれない。逃げていくから」と、苦笑し「ただただ、毎日一生懸命やるだけです」。
ひたむきな背中で見せる。


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